【論説】今年の春の北信越高校野球福井県大会は好勝負が相次ぎ、特に上位陣の激しい戦いには引きつけられた。今春の選抜大会に初出場し1勝を挙げた啓新に敦賀気比が競り勝つなど、各校の実力が伯仲。夏の甲子園を目指す7月の県大会では、さらに熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 今大会で特徴的だったのは、福井工大福井、敦賀気比、福井商と、強豪として伝統のあるチームが4強に入ったことだ。近年は甲子園出場を果たした坂井など、新たに力を付けた県立高校の躍進が目立っていた中で、改めて力を見せてくれた。

 注目を集めたカードの一つが準決勝の啓新―敦賀気比だ。甲子園を経験すると大きく成長するといわれる中、強豪同士のぶつかり合いと呼ぶにふさわしい一戦となった。気比が一時3点をリードしたが、啓新は七回に1点差まで追い上げ。それでも気比が堅守でリードを守り切るという息詰まる戦いだった。

 続く決勝は、昨秋県大会覇者の福井が小差の勝負で気比を破った。これら見事な戦いぶりを振り返ると、実力が拮抗(きっこう)している様子が見て取れる。夏の甲子園切符をどこが手にするか、混沌(こんとん)とした様相だ。

 大会ではこのほかにも見どころとなった試合が多々あった。福井農林が1回戦で奥越明成にコールド勝ちし、2016年以来の県大会勝利。2回戦では福井高専に延長十四回サヨナラ勝ちし、13年夏以来の8強入りを果たした。

 藤島も、中学時代から組んでいるバッテリーらの頑張りで、13年秋以来の8強入りを決めた。また、2回戦で敗れたものの、丹生が擁するプロ注目の左腕にも耳目が集まった。1回戦の三国との戦いでは16奪三振、被安打1の完封劇を披露した。

 このように上位には届かなかったものの、県立各校が好ゲームを展開した。夏にはどのような成長を遂げているのか、楽しみなところだ。

 県立高校の部活動を巡っては、教員の働き方改革に向けて県教委が今年2月、県学校業務改善方針を策定した。この中には、練習時間の削減などが盛り込まれた。このため、将来的に私立校との力の差が広がるのでは、との指摘も上がっている。

 働き方改革と部活動強化を同時に果たすのは容易ではないだろう。ただ、球児たちに悔いのない高校生活を送ってもらうことも優先事項のはず。そして夏には再び、はつらつとしたプレーを見せてもらいたい。

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