県1JAに参加しないことを決めたJA越前たけふの臨時理事会=5月10日、福井県越前市の同JA本店

 福井県内の全11JAが合併する「県1JA構想」を巡り、JA越前たけふ(本店福井県越前市、冨田隆組合長)は5月10日、臨時理事会を開いて合併に参画しないことを決めた。独自に行った組合員意向調査で、合併に反対する意見が65%に上ったことを踏まえた。県内JAが不参加を表明するのは初めて。今後は他の10JAで、2020年4月1日の合併を目指し準備を進めることになる。

 臨時理事会はJA越前たけふ本店で開き、理事19人のうち合併賛成は1人、反対が18人だった。

 冨田組合長は理事会後に会見し「1JAへの組合員の賛同を得られなかった。合併によって、地域JAとして特色ある運営ができなくなるという懸念が大きかったのではないか」と話した。

 2~3月に行った意向調査は、JA越前たけふの全組合員と女性部員の計約1万1700人のうち約2割が回答。合併反対の理由としては「独自性がなくなる」「これまでの取り組みが無駄になる」といった意見が寄せられたという。合併に賛成したのは30%だった。

 同JAのエリアは越前市(旧武生市)と南越前町で、組合員数は県内5番目。市場ニーズを見極めたコメの生産や上部団体に頼らない販売、JA共済以外の保険商品の販売など、全国的にも珍しい取り組みを行っている。

 県1JA構想は、農業、JAを取り巻く環境が厳しくなる中、合併によって経営基盤の強化や組合員対応の向上を図ろうと、18年1月に全JA組合長らで合併促進協議会を設立し準備を始めた。同11月には合併基本構想を策定し、持続可能な農業環境の構築を目指すことを打ち出した。今年6月下旬に参加予定のJAで予備契約を締結。7月下旬に各JAが開く合併総代会で、3分の2以上の賛成があれば合併に参加することになる。

 全国での県1JAは奈良や島根、山口など5県で実現。今年1月に発足したJA高知県は「県1」を目指したが、3JAは参加しなかった。

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