昭和29年に小生が福井測候所に採用されて、初めに覚えさせられたのはモールス信号です。中央気象台から無線放送される数字のモールス信号を受信して、数字に対応する記号に変えて天気予報の天気図を描くためです。それと気象観測法(現在は観測指針)の修得と雲の観測でした。

 雲は高さにより上層、中層、下層の三層に分類されておりそれぞれ名前が付いています。観測時間になると露場(建物の影響を受けない場所に芝生で覆われた広場)に出て空を眺め雲の量と種類と高さと進行方向を観測し、同時に露場には百葉箱や雨量計、積雪柱などがあり、雨量や気温・湿度も観測します。

 雲の種類は観測法に写真が載っており、それと比較しながら種類を決めていました。数年後には世界気象機関が刊行したカラー写真の「国際雲図帳改定版」がハンドブックになりました。

 水は三相の形をします。気体は水蒸気で目視出来ませんが、雲のように液体または固体になったものは目視できます。

 高い順に見ますと上層雲で、地上5千mから1万3千mに発生する氷の粒で出来た雲です。巻雲(記号Ci、刷毛でさっと描いたような雲で筋雲と呼ばれます)。巻積雲(記号Cc、さざ波のような、あるいは小石を敷き詰めたような雲で、鱗雲と呼ばれます)。巻層雲(記号Cs、薄いヴェールのような雲で、この雲を透して太陽や月を見るとその周囲に虹のような輪や弧が見えることがあります。日暈[ヒガサ]、月暈[ツキガサ]と呼びます)。

 中層雲は地上2千mから7千mに発生する氷や水で出来た雲です。高積雲(記号Ac、雲の塊は巻積雲より大きく雲が厚いため陰影があります。板状や丸みのあるもの、ロール状のものなどあり羊雲などと呼ばれ、この雲が太陽や月を隠すと光冠が現れたり、雲の縁が美しく彩られことがあります)。高層雲(記号As、空一面に薄い墨を流したような雲で雲の底が波状になることがあります。太陽が曇りガラスを透したように見えるため、朧[オボロ]雲などとも呼ばれます)。乱層雲(記号Ns、高層雲がさらに厚くなり雲底が低くなった雲で雨や雪を降らせる雲で雨雲、雪雲と呼ばれます)。

 下層雲は雲底が2千m以下で発生する雲です。層積雲(記号Sc、板状や丸みのある塊の雲が層状または波状になったもので規則正しく並ぶこともあり畝雲と呼ばれることもあります。雲の高さは2千m以下です)。層雲(記号St、最も低いところに現れ、白灰色でほぼむら無く一様に浮かびます)。積雲(記号Cu、綿雲や積み雲と呼ばれ、晴れた日のぽっかり浮かび雲底は平らで雲頭は丸みを帯びており「晴れ積雲」と呼びますが、垂直に発達した時は雲頂は1万メートルを越すものもあり「雄大積雲」と呼び、雨を降らせることがあります)。積乱雲(記号Cb、積雲がさらに発達したもので雲頂は成層圏に達し水平に広がり「鉄床雲」と呼ばれ、激しい雷雨や雹を降らせることがあります。

 まとめますと、上層雲は巻雲(cirrus)、巻積雲(cirrocumulus)、巻層雲(cirrostratus)。中層雲は高積雲(altocumulus)、高層雲(altostratus)、乱層雲(nimbostratus)。下層雲は層積雲(stratocumulus)、層雲(stratus)、積雲(cumulus)、積乱雲(cumulonimbus)の10種類です。お解りのようにcirrus、cumulus、alto、stratus、nimboの組み合わせになっています。

 4月の降水量は嶺南で多めでしたがその他はほぼ平年並みでした。気温は全県で1℃前後低くなりました。日照時間はほぼ平年並みでした。降雪は九頭竜だけで11cmと平年の半分で、積雪も九頭竜だけで5cmと平年の6分の1以下でした。

 気象庁が4月末発表した北陸地方の三ヶ月予報は、気温降水量とも平年並みと予想しています。
 

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