「日朝首脳会談を実現してほしい」と話す地村保志さん=5月8日夜、福井県の小浜市働く婦人の家

 福井県小浜市の拉致被害者、地村保志さん(63)は5月8日、同市内で報道陣の取材に応じ、安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と無条件で首脳会談に応じる意向を示したことについて「米朝首脳会談に期待したが、結果は出なかった。安倍首相が直接話をしないことには(問題解決に向け)進展はないと思う。北朝鮮を訪問するなり、第三国で会うなりして、一から話をして一つずつ解決してほしい」と話した。

 同市で開かれた「救う会福井」の総会に出席後、記者団に答えた。

 地村さんは、拉致問題の進展を首脳会談の前提条件としてきた従来の方針を転換した政府の対応について「本来日本は(北朝鮮への)制裁を基本に、拉致問題を解決していくという姿勢だったが、国際情勢が対話の流れになっている中で取り残されている」との見解を示し「拉致問題を進展させようという思いで提案したんだと思う」と述べた。

 その上で「首脳会談が実現すれば、政府認定の拉致被害者やそれ以外の生存者についてもある程度の進展があるんじゃないか」と期待感を示した。

 5月に入り、北朝鮮が飛翔体を発射したことについては「米朝会談で核問題の話し合いがうまくいかなかった。北朝鮮は国内外に自国の軍事力、存在感を示すことで、再び米国との対話を考えているのではないか」と推測した。

 昨年度から、小浜市内の小中学校で開いている拉致問題啓発講座は、今後も続けていく考えで「特定失踪者などで関係がある敦賀市、若狭町、越前市の小中学校でも要望があれば、できる範囲で講演していきたい」と話した。

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