福井地裁

 福井県で逮捕された特殊詐欺の「受け子」の男(22)が、アルバイトを探そうとツイッターで「高収入」と検索したのを発端に詐欺グループに加わったことが5月8日、福井地裁での公判で明らかになった。途中で犯罪を疑い、辞退を申し出たが「1カ月は辞められない。勝手に辞めたら実家や自宅に行く」と指示役に脅され、手を引けなかった。

 男は、窃盗罪などに問われている千葉市の無職の被告。起訴状によると、同被告は昨年9月27日~10月12日、金融庁職員を装い石川、岐阜、愛知、福岡の4県の高齢者宅を訪問。玄関でキャッシュカードを封筒に入れさせ、被害者が目を離した隙に偽のカードが入った封筒とすり替え、現金自動預払機(ATM)で計1237万円を引き出したとされる。

 検察側によると、報酬は引き出した額の8%。計算上は約2週間で100万円近くになったが、報酬をもらうことなく逮捕された。

 8日の被告人質問で被告は▽「短期間で数十万円」とするツイッターの投稿に返信▽名前や家族構成、住所、免許証の写真を送信―などと手続きを説明。東京近郊の駅に呼ばれ、さらにコンビニで金融庁職員の身分証をコピーさせられた。この時点で犯罪と疑ったが後戻りできなかったと述べた。

 また、携帯電話に訪問先の住所が送られ、訪問直前には指示役に電話でせりふを復唱させられたとする犯行前の状況を説明。メンバー同士が顔を合わさないよう、交通費や宿泊費などの実費支給は公衆トイレの仕切り越しに行われたことも明らかにした。

 検察側は論告で、高齢者6人からカード21枚を盗み、ATMから37回も現金を引き出したと指摘。「巧妙かつ悪質で被害は大きい」として懲役5年を求刑した。

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