福井県池田町議会議員選挙を振り返る丸石純一さん=福井県池田町

 4月の福井県池田町議会議員選挙でトップ当選したのは、広島県出身で「緑のふるさと協力隊」として10年前に同町に移住した丸石純一さん(32)だった。出馬前は「(当選は)100パーセント無理だ」と言われたが、「よそ者だけど、どんな手伝いができるだろうか、との思いが受け入れてもらえたのかも」と振り返る。選挙結果を「変わらなきゃ」との声なき声の現れと見る町民もおり、過疎化に悩む山村に吹いた新しい風の広がりに注目が集まっている。

 ⇒池田町議選の開票結果

 4月21日に投開票された池田町議選で、丸石さんは234票を獲得し、トップ当選した。同じく出馬した大阪府出身で3年半前に移り住んだ清水龍司さん(33)も当選まで19票と迫った。町外出身で地元区の推薦も受けなかった2人。丸石さんは選挙前、町内に古くから住む人に「当選は100パーセント無理だ」と言われたと振り返る。

 「区の推薦があるから、うちに来ても外に出て応援できない。ごめんね」。他の候補者を推薦した地区の人からは、そう言われた。丸石さんは出馬して初めて、地区推薦の意味やバックアップの手厚さを知ったという。ポスター張りや事務所番は家族や知人にお願いし、他の候補者の半数以下で賄った。

 清水さんは町内を広く回り、「獣害」「医療・介護・福祉」など重視する要望を、町民に直接聞くアンケートを実施。町民から「今まで自分の意見を言う機会が、あまりなかった」「もっとやってほしい」と手応えを感じたという。その一方で「考えはいいと思うけど、親族に入れなきゃいけない。投票はごめんなさい」と言われたこともあった。

 「当選できるかどうか自信もなかった」丸石さんは、選挙結果を「信じられなかった」と話す。支持された理由を「池田が好きで、町の今後を考えていきたい。よそ者だけど、どんな手伝いができるだろうか、と素直な思いを話してきたことが受け入れられたのでは」という。

 ある男性町民は「この人がいいと思っても他の人に入れなきゃいけないこともある。池田ってそういうところ」と話す。その一方で別の男性は「いつまでも古い体質のままではいけない。変わってほしいという願いを込め、やってくれそうだと思った候補者に入れた」と語る。

 「血縁地縁も大事な選択肢の一つ」と話す丸石さんは「将来は本当に応援したい人を応援できる環境になったらいいのかな」と振り返る。清水さんは「選挙は町の未来をみんなで決めるもの。みなさんの意見を聞き、自分の意見も発信できるような選挙戦に、また挑戦したい」と話した。

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