工場の縫製者と細かな調整をするパタンナー(右)=5月7日、福井県若狭町の「アルファブランカST」

 桂由美さんがメインデザイナーを務めるドレスメーカー、アルファブランカ(本社京都府京都市)は、生産工場がある福井県若狭町を「ウエディングドレスの聖地」にしようとプロジェクトを進めている。従来、本社で行っていたデザインや企画などを工場のある同町に集約する方針で、既に国内外から訪れるデザイナーの宿泊や若手の職人の滞在に使う社員寮を建設。今後はドレスの展示館やドレスデザインの学習施設を建てる構想も計画中だ。

 同社は1989年、同町北前川に生産工場「アルファブランカST」を設置。桂由美さんらのドレスを年間約3千着製造し、国内外へ販売している。桂さんは同町の親善大使も務めており、桂さんのドレスを披露するブライダルショーを町内で開催したこともある。

 同社では、これまでドレスのデザインや企画などは京都市の本社で行い、工場では生産のみを担っていたが、企画側と工場側のコミュニケーション向上を図るため、業務を同町に集約することにした。本年度から、平面のデザインを生地におこす「パタンナー」が本社から同町の工場へ移り、生産に励んでいる。

 生産拠点としての機能のほか、作品を展示するドレス展示館やドレスデザイナーなどを育成する学習施設も設置する予定だ。

 国内外のデザイナーや若手職人の滞在施設が必要となるため、同町に社員寮を新設。「30年間工場を置いている若狭町への感謝の気持ちを込め、町が抱える空き家の課題の改善に微力ながら貢献したい」との思いから、空き家となっていた同町瓜生の築約130年の古民家を解体、柱を再利用した。社員寮の2階部分に使われている柱の約8割は、古民家のものを利用したという。

 同社の坂下志郎会長(福井県小浜市出身)は「構想がどれだけ実現できるかは分からないが、若狭町と協力してドレスの生産機能だけでなく、ドレスの聖地として人が集まる場所にしていければ」と話している。

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