福井県内の小中高校の校歌を聴けるコーナー。高らかに歌う卒業生の姿も見られる=福井県坂井市の福井県教育博物館

 福井県坂井市の福井県教育博物館にある校歌の試聴コーナーが静かな人気を集めている。小中高校など現在開校している316校のほぼ全ての校歌を歌唱入りで聴くことができ、子どもの頃を思い出すように母校の校歌に聴き入る来館者の姿が見られる。

 このコーナーでは公立小中高校、特別支援学校、多くの私立学校の校歌を、校舎の写真と歌詞を見ながら聴くことができる。各校の作詞・作曲者の一覧も展示している。

 坂井市春江小学校の作詞・北原白秋、作曲・山田耕筰というように著名人が携わっているケースも多い。南越特別支援学校(越前市)はシンガー・ソングライターの小椋佳さんが作詞・作曲。詩人の谷川俊太郎さんは進徳小学校(鯖江市)と金津高校の2校で作詞を手掛けている。故坪川信三さんや故熊谷太三郎さんといった政治家が作詞した例もみられる。

 吉田智館長によると、校歌試聴は最も人気が高いコーナーで、ほとんどの来館者が利用する。しみじみと耳を傾け「これで元気になりました」という30代の男性がいたり、顔をほころばせながら声高らかに歌う高齢者がいたりするという。

 芦原中学校の校歌を聴いていた女性(58)は「先生の顔、友達の顔、厳しかったバレーボール部の練習を思い出した」とにこやかに話していた。

 同館は計433校の校歌に関する資料を保管。このうち廃校や休校となった117校で音源データがあるのは50校にとどまっており、楽譜など校歌資料の提供を呼び掛けている。

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