春季北信越地区高校野球福井県大会準決勝・啓新―敦賀気比 八回裏啓新1死一、三塁、タッチアップで本塁を狙った三走をアウトにする敦賀気比の捕手御簗龍己(右)=5月2日、福井県営球場

 【北信越地区高校野球福井県大会準決勝・敦賀気比3-2啓新】

 リードはわずか1点の八回1死一塁。緊迫した場面でマウンドに上がった敦賀気比笠島尚樹は、初球を完ぺきに捉えられた。左前打で一、三塁。出はなをくじかれたが「あれで気持ちが一段と入った」。

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 続く3番穴水芳喜に対し、球威十分の速球で押す。2球目を詰まらせた。打球はふらふらっと中堅方向へ。前進しながら高原秀郎がつかみ、まずはアウト一つ。すぐさま「攻めていこうと、思い切り投げた」と右腕をしならせた。絶妙なワンバウンド送球が捕手御簗龍己に届き、本塁を狙った三走を間一髪でアウト。洗練された堅守がここぞで飛び出し、最大のピンチを切り抜けた。

 上間洸太主将は言う。「守備からリズムをつくるチーム」だと。その言葉通り、これまでの3試合は無失策で乗り切り、常に自分たちのペースで進めた。この日もそうだ。先発黒田悠斗が緩急を使ってゴロを打たせ、内野陣が軽快にさばく。七回表まで3―0。理想通りの試合運びだった。

 だが七回の守りに落とし穴が待っていた。簡単な右飛の捕球ミスや暴投で2失点。らしくない守備の乱れが続いた。それでも、東哲平監督の表情は暗くない。「夏に向けて緊張感を体験できたことは大きい」と前向きに捉える。「一番勝ちたかった相手」(上間主将)を破った勢いで、4年ぶりの春王者を狙う。

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