「退位礼正殿の儀」に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇太子さま=4月30日午後5時1分、宮殿・松の間(代表撮影)

 天皇陛下は4月30日夕、皇居・宮殿「松の間」で、代替わりの重要儀式「退位礼正殿(せいでん)の儀」に臨まれた。85歳の陛下は在位中最後のお言葉で「支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べられた。象徴のあるべき姿を追求し続けた陛下はこの日限りで退位され、5月1日に59歳の皇太子さまが新天皇に即位される。30年余りの「平成」が幕を閉じ「令和」に改元される。

 天皇の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上初めて。今回は2017年6月に成立した、陛下一代限りの退位を認める皇室典範特例法に基づき行われることになった。

 退位礼正殿の儀は、憲法が天皇の仕事と定める国事行為として執り行われた。

 安倍晋三首相が「天皇陛下は皇后さまとご一緒に、国民に寄り添い、明日への勇気と希望を与えてくださった」と国民代表としてあいさつし、陛下が「象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」と応じられた。皇族や三権の長、閣僚らが参列した。

 皇太子さまは即位後の1日午前、宮殿で即位の重要儀式「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」に臨まれる。朝見の儀では、新天皇として最初のお言葉を述べられる。

 陛下は1989年1月、昭和天皇が亡くなられたことに伴い、現憲法下で初めて象徴天皇として即位された。

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【天皇陛下の略歴】

 名前は明仁(あきひと)。1933年12月23日、昭和天皇と香淳皇后の長男として生まれ、幼少期の称号は継宮(つぐのみや)。戦時中は疎開を経験し、11歳で終戦を迎えた。学習院初等科から中、高等科を経て、学習院大政経学部に進学。59年4月10日に皇后美智子さまと結婚した。89年1月7日、昭和天皇が亡くなり、即位した。4月30日の退位後は上皇となり、一切の公務から身を引く。ハゼの分類学を研究し、趣味はテニス。

【皇后さまの略歴】

名前は美智子。1934年10月20日、後の日清製粉社長正田英三郎氏と妻富美子さんの長女として生まれた。聖心女子大卒業後の57年8月、長野・軽井沢のテニスコートで皇太子だった天皇陛下と出会い、59年4月10日に結婚。初の民間出身の皇太子妃に「ミッチーブーム」が起きた。皇室の慣例の乳人(めのと)を設けず、皇太子さま、秋篠宮さま、黒田清子さんの3人を手元で育てた。89年1月7日、陛下の即位とともに皇后になり、退位後は上皇后(じょうこうごう)となる。日本赤十字社名誉総裁も務める。

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