松岡平成区を示す案内板=福井県永平寺町

 5月1日の改元を前に「平成」と名の付く福井県内の地域の関係者に、元号とともに歩んだ30年余りの思い出や「令和」への期待を聞いた。永平寺町の松岡平成区は、旧県住宅供給公社が造成し、1989(平成元)年に54戸、翌年に26戸が入居した。もともと旧松岡町兼定島、領家の二つの行政区にまたがっていた。改元から約2カ月後の89年3月の町議会で、入居者が決まったことなどを受け、新たに行政区を設け名称を「平成」とする議案が可決された。

 当時の議事録によると町側は、地元の同意を得た上で「平成元年の記念すべき年に生まれたまち」として「平成」の名称を提案した。一方、地元に古くから伝わる地名「命保水(みょうぼすい)」も候補に挙がっており、一部の町議は「由緒と愛着ある名前を付けるべきだ」と反対した。「元号はいつ変わるか分からないが、地名は簡単に変更できない」との意見もあったが、賛成多数で「平成」が認められた。

 現在の区長(65)は「入居前に区名が決まっていて、すんなり受け入れた」と振り返る。入居者は30~40代の世帯が多く、一体感と活気があり、子どもも増えていった。30年余りたった区内には夫婦2人や1人暮らしの世帯が目立つ。区長は「住みやすいまち。令和になっても穏やかに過ごせれば」と話した。

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