「後進のロールモデルになりたい」と意気込む福井県警鯖江署生活安全課の川端雪恵警部=福井県鯖江市の同署

 福井県警が女性警察官の採用と幹部登用に力を入れている。今春は全体の3分の1を超える過去最高の22人を採用。署の課長や交番所長に女性を初めて起用した。犯罪やドメスティックバイオレンス(DV)など女性が巻き込まれる事件が後を絶たない中、被害者の相談や捜査に活躍が期待される。

 県警がまとめた2018年の治安情勢によると、強制わいせつや暴行など女性が被害者となった事件の認知件数は160件で、ストーカーやDVの相談なども261件あった。減少傾向は見られないという。こうした状況を踏まえ、今春は61人のうち女性22人を採用。4月1日現在の女性警察官は167人で全体(1751人)の9・5%。前年に比べ1ポイント増えた。21年までに10%以上にする方針。

 現在、女性警部は3人。このうち少年事件捜査や相談業務に精通する川端雪恵警部(46)を鯖江署生活安全課長に起用した。「性犯罪の被害に遭った女性の心情への細かい配慮など意識を高めたい」。ストーカーやDV、少年少女への犯罪を取り扱う同課の責任者として意欲を語る。

 川端警部は「少年少女の立ち直り、支援に携わりたい」と1997年に警察官になった。女性採用は93年に始まったが、2001年までは2年に1度しか採用がなかった。交番には女性用休憩室がなく、仮眠の際は警察署に片道15分かけ戻っていた時代を知る。それでも、仕事と2人の育児を両立してきた。

 交番にも女性用休憩室が完備されるなど今は性差を感じないという。「業務は男性と同じ。県民を脅かす犯罪に対し知識と判断力で挑み、後進のロールモデルになりたい」と話す。

 一方、女性警部補は現在21人。このうち、率先したパトロールや事件現場の臨場なども求められる交番所長に2人を起用した。

 福井署駅前交番に配属された森川詩子警部補(41)は「福井駅周辺の治安は県全体の印象に関わる。管内把握に努め、交番員が働きやすい環境もつくりたい」、鯖江署神明交番勤務となった松田あかね警部補(41)は「地域の方々と直接話すことが大事。全軒回って住民の不安を解消できたら」と抱負を語った。

 県警警務課は「今後、女性が活躍する場をさらに広げ、きめ細かい対応をしたい」としている。

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