40周年記念講演会のチラシや毎月制作している会報を示す福井県失語症友の会副会長の飛田公子さん(左)と川岸惠さん=福井県福井市の福仁会病院

 脳卒中などで脳に障害を受けた失語症患者と家族でつくる「福井県失語症友の会」が、1980年の発足から40年目に入る。患者や家族の“心のよりどころ”としての活動が節目を迎え、4月27日には40周年の記念講演会を福井県福井市内で開く。会員や支援者は「会員の生の声を聞いてもらい、失語症を正しく理解してもらう機会にしたい」と話している。

 失語症は脳卒中や交通事故、外傷などで大脳の言語中枢が損傷し「聞く・読む・話す・書く」ができなくなる言語機能全般の障害。人によって「聞く・読む」の理解度や、「話す・書く」の表現力に程度の差があり“見えない障害”ともいわれる。

 福井県内では80年に患者と家族が中心となり友の会が発足した。毎月の例会やリハビリ勉強会、小旅行などのレクリエーションを通じて交流。現在は福井支部と嶺南支部があり、50~70代の男女約70人の会員がいる。

 県内第1号の言語聴覚士(スピーチセラピスト=ST)で同会の立ち上げ以来、支援を続けている川岸惠さん(63)=福井市=は「互いがリラックスして心を通わせ合う機会があることで、表情や言動が明らかに前向きに変わる。この40年、周りが失語症を正しく理解する環境づくりが不可欠だと痛感してきた」と振り返る。県内では数千人の失語症者がいるとみられ、だれもが失語症になり得るだけに「どんな症状なのか社会的に広く知ってもらえれば家族も動揺せず、本人も孤立しなくなる」との思いを強くしている。

 「親身になって分かってくれる仲間がいるのは心強い」と話すのは、6年前に脳出血を患い失語症になった飛田公子さん(69)=坂井市。現在は同会の副会長を務め、例会で近況を報告し合うことと、趣味の山登りが楽しみという。「今後も無理なく、友の会が続いていけばうれしい」と笑顔を見せている。

 40周年記念講演会(福井新聞社後援)は27日午後2時から、福井市江上町の福井医療大学で。脳梗塞で失語症になった夫を介護し、NPO法人日本失語症協議会副理事長を務める園田尚美さん(東京)が講演するほか、県内の会員と川岸さんがやりとりしながら体験談を紹介する。川岸さんは「医療従事者やSTを目指す人も、会員の生の声を聞いてほしい」と参加を呼び掛けている。

 参加費500円(学生無料)。問い合わせは同大学の言語聴覚学専攻=電話0776(59)2203。

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