ルワンダの農地観測などに使われる超小型人工衛星の試験機=4月18日、福井市の県工業技術センター

 福井県や県内企業、東京大学がアフリカ中部のルワンダ向けに共同開発している超小型人工衛星の試験機が完成し、4月18日、福井市の県工業技術センターで公開された。将来の量産化を見据え、既存の人工衛星に比べて構造を簡素化したのが特徴。今後、同センターにある試験機器を使って宇宙での運用に問題がないかを確かめ、フライトモデルと呼ばれる実際に使用する人工衛星を完成させる。フライトモデルは、年内に打ち上げられて国際宇宙ステーション(ISS)から放出される見込み。

 ルワンダ向けの人工衛星は、ふくい宇宙産業創出研究会に所属するセーレン(福井市)、鯖江精機(越前町)、春江電子(坂井市)、山田技研(福井市)と県、東大で開発を進めている。ルワンダ政府はITを活用した施策に力を入れており、東大との間で人工衛星の製造について合意。東大で衛星製造技術を学んできた県内企業も参画することになった。

 大きさは縦横10センチ、高さ約30センチの重さ約3キロで、ルワンダや周辺国の農作物の生育状況などを観測するために使われる。東大が開発して昨年に打ち上げられた「TRICOM(トリコム)1R」という人工衛星と同じ大きさだが、各電子基板をつなぐケーブルの数を減らすなどして組み立てを容易にしており、製造期間はトリコムに比べて短縮できたという。

 この日、試験機について説明した同研究会の山田英幸会長(セーレン取締役執行役員)は「大学が作る衛星は1機作るのを目的としているため、構造が複雑になりがちだ」と指摘。組み立てに専門性が必要なことが量産化の課題とし「誰が組み立てても同じ物が作れるような構造にした」と強調した。

 同研究会はルワンダ向けの人工衛星を通じて実績を示し、さまざまな国や企業からの受注につなげる考え。

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