敦賀市長選挙に立候補した(左から)渕上隆信氏と米澤光治氏

 福井県の敦賀市長選は4月21日の投開票日に向け、現職の渕上隆信候補(58)=同市金山=と新人の米澤光治候補(51)=同市御名=が舌戦を繰り広げ、支持を訴えている。まもなく幕開けする「令和」時代の最初の市政リーダーを目指す人は、どんな人柄や経歴、信念を持つのか。両候補の横顔を紹介する。

 ■渕上隆信氏 読書家 市民愛あつく

 「敦賀は優しくて、オープンな人が多い。この市民性がいいなあ、としみじみ思うんですよ」。九州から敦賀に来て35年。敦賀のことを話すとき、目尻にしわを寄せて人なつこい笑顔になる。

 市議1期後、浪人時代を経て前回選挙で市長に当選。4年間で最も印象に残っているのは、大型客船ダイヤモンドプリンセスの来航という。「大勢の外国人が街にあふれ、これが毎日続けば…と夢みた」と笑う。一方、出港後には道路にごみが残った。「でも誰も迷惑だと言わず、昔の敦賀みたいでよかったねと喜んでくれた」。この愛すべき市民性を全国に発信したいとの思いを胸に抱き続ける。

 性格は「九州男児だからか、頑固なところがある」と自己分析する。「損得勘定でなく、人としてどう行動すべきか」と考え、動き、発言する。支援者らは「真面目で不器用。でもうそをつかず、上からモノを言わない」と評価する。

 一度落選したことで考え方が変わったとも。「自分が正しいと思わなくなった。何事もいろんな人の力を借りながら進め、ベストに近づけることが大切」。これが考え方や手法の原点となっている。

 忙しい合間を縫っての稲作と読書が趣味。朝と夜中に読みふけり、年間100冊ほど読破する。「歴史ものが多い。気持ちの切り替えができるからいい」。また市内に住む孫と過ごす至福の時間が、何よりの癒やしだと目尻を下げる。

 ■米澤光治氏 研究畑 課題解決に力

 米カリフォルニア大客員研究員、新素材関連の特許取得30件以上―。大阪市の化学メーカーに14年間勤務し、“研究畑”で積み重ねた輝かしい経歴だ。理路整然とした丁寧な語り口は、聞き手に分かりやすい。

 2007年、「子供のころ遊んだ黒河川など地元の自然の楽しさを、わが子に感じてほしい」と故郷の敦賀にUターン。原発の関連会社に再就職した。現場を知ったことは、後の政治活動に生きている。

 戻ってきた敦賀に、都会にはない生活の豊かさを感じた。「職場と住む所が近接していて、ゆとりがある。自然環境もいい」。市は人口減少が進むが、Uターンして感じた魅力は「都会の人にもライフスタイルの選択肢として発信できる」と語る。

 「古里の役に立ちたい」と15年に、市議選に初出馬してトップ当選。議員活動する中で、亡き父が社会福祉や土地改良で地域と行政のパイプ役に尽力した気持ちを理解できるようになった。「政治家は使命感で仕事する」と思う。

 自らを「課題解決型」と分析する。メーカー勤務時代、研究仲間4、5人でホワイトボードを使って議論し、「“化学反応”が起きて解決策が見えた」経験が大きい。そのため、最も大切にするのはコミュニケーションだ。

 ゴルフ一家で、妻と長女は嶺南アマ・ゴルフ上位の実力。「息子も始めて、だんだん仲間外れになってきた」と苦笑いした。

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