ポスター掲示板を知事選から敦賀市長選用に差し替える業者スタッフ=4月9日、福井県敦賀市中央2丁目

 4年に1度の統一地方選は後半戦が行われている。ただ「統一」と言いながら、選挙の有無は福井県内市町によってバラバラ。1947年の第1回統一選では全自治体で選挙があったが、市町村合併や首長の辞任などで、時期がずれていったためだ。選挙をまとめることは有権者と自治体双方にとって利点は大きく、専門家からは「再統一」に向けた法整備の必要性を指摘する声も上がる。

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 「同時期に選挙が行えると経費節約になる。投票所や投票用紙の準備なども一度にできるため、職員の手間も省けて助かります」

 こう話すのは敦賀市選管の担当者。同市では県内市町で唯一、知事、県議、市長、市議の計4選挙を統一選のこの時期に実施。そのため市内に207カ所あるポスター掲示板は、前半戦の知事、県議選のボードをめくると後半戦のボードに切り替わるようになっている。

 市によると、掲示板の設置・撤去費用は約2500万円。仮に一つの選挙が別の時期にずれれば、掲示板だけでさらに数百万円かかるという。

 一方、あわら市では昨年2月に市長の辞職に伴う選挙があり、今回の統一選から外れてしまった。市議選は平成の大合併で2004年3月に芦原、金津両町が合併したことに伴い、05年6月の初選挙時からずれている。

 全国でも同様のケースで年々ばらつきが出ている。全ての地方選のうち、統一選で実施される選挙の割合を示す「統一率」は、昭和の大合併で1955年に46・35%に急落。平成の大合併で2007年に30%を切り、19回目となる今回は過去最低の27%台となる見込み。福井県では知事、県議、敦賀市長、3市議、3町議選が行われ、統一率は25・0%。

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 本来、統一選は選挙をまとめることで有権者の関心を高め、投票率向上の効果を期待できる。今回、知事選で初めて投票を経験した福井市の男子大学生(19)は「次は市議選だが、その次は市長選が冬にあると言われたが、何度も投票所に行くかは正直分からない。学生も忙しいんです」と話し、まとめて行われることに賛成だ。

 実際に統一率の低下傾向に歯止めをかける動きもある。今年7月に任期満了を迎える愛知県日進市の萩野幸三市長は、昨年11月に次期市長選への出馬見送りと任期切れ前の辞職を表明した。任期を約8カ月残し「今が区切りを付ける時」と進退を判断。48年ぶりに市長選と市議選を合わせて行うことになった。

 だが、こうした地方の動きは少数だ。首長や議員の任期短縮は当選者の権利などに関わるため、具体的な議論は高まっていない。

 地方自治に詳しい法政大学副学長の廣瀬克哉氏は「社会状況は統一のメリットを求めているのに、今の地方自治法と公職選挙法の制度は、いったんずれた選挙のタイミングを合わせる仕組みを持っていない」と指摘。その上で「特定の任期を若干延ばしたり短くしたりして、選挙の期日を動かすための法制度を設けることが必要ではないか」と話している。

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