人工巣塔の上に作った巣に伏せるコウノトリ=4月15日、福井県越前市安養寺町

 福井県越前市で2016年秋に放鳥され、今年3月に同市白山地区に姿を見せた国の特別天然記念物コウノトリの「たからくん」が、連れ立っている雌とともに同地区内の人工巣塔で巣作りする姿が4月15日までに確認された。巣の上で長く伏せている姿も見られ、市は産卵、抱卵の可能性を調査している。

 たからくんはコウノトリの野生復帰と生息域拡大に向けた県の飼育・繁殖事業の一環で、16年5月に誕生し、同9月に坂口地区で放鳥された。その後は徳島県鳴門市に長期滞在していた。雌もたからくんと同じ16年の4月に兵庫県豊岡市で生まれ、これまでに鳴門市でたからくんと過ごす姿が目撃されていた。

 2羽がカップルで白山地区に“帰省”したのが確認されたのは今年3月10日。たからくんが越前市内で確認されたのは放鳥以降初めてとみられる。市によると、21日に同市安養寺町の人工巣塔で巣作りらしい行動が確認された。4月5日からは1羽がずっと巣に伏せている姿が見られ、市では兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(豊岡市)の協力を得ながら産卵、抱卵の可能性を調査している。

 人工巣塔は高さ12メートルのコンクリート電柱を利用。武生ライオンズクラブが2012年10月に設置し、市に寄贈した。

■“奥さん”にも名前を 地元住民、来月まで募集

 福井県越前市安養寺町の人工巣塔で巣作りをしているコウノトリのカップルに長く住み着いてもらいたいという願いを込め、地元住民らが雌の愛称を募集している。住民らは「かわいい名前を付けて温かく見守りたい」と話している。募集は5月6日必着。

 同市生まれの雄には「たからくん」の愛称があるが、兵庫県豊岡市生まれの雌は個体番号「J0132」だけ。安養寺町の住民でつくる安養寺桜まつり実行委員会が、親しみを込めてカップルを見守ろうと今年のまつりに合わせて雌の愛称募集を始めた。まつりは4月14日に開かれ、開会式で募集開始が宣言された。

 実行委の坂下在良委員長(67)は「無事に産卵し、元気にヒナが誕生することを願っている。愛称があった方が愛情を込めて見守れる」と話している。採用された人には、安養寺町産「さぎ草米」10キロを贈る。

 はがき、ファクス、メールで氏名、年齢、性別、電話番号、コウノトリの愛称、命名の理由を記入して申し込む。

 応募先は〒915―1204、福井県越前市都辺町36の84、しらやまいこい館内「越前市西部地区コウノトリ共生推進連絡協議会」、FAX0778(29)2811、メール(mizubenokai_ikoikan@yahoo.co.jp)。いこい館、白山公民館には投票箱もある。

 

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