福井県敦賀市=2018年11月、福井新聞社ヘリから撮影

 統一地方選の後半戦が幕を開け福井県の敦賀市長選挙は、再選を目指す無所属の現職渕上隆信氏(58)=同市金山=と、前市議で無所属新人の米澤光治氏(51)=同市御名=が立候補し激しい一騎打ちが繰り広げられている。原発が次々と廃炉となり閉塞感が漂う市内では、市民から北陸新幹線敦賀開業へ期待する声や子育て支援の充実を求める声などが聞かれる。「街を活気づけてほしい」―。市民は切実な思いを込め、両候補の訴えを注視している。

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 日本原電敦賀原発近くの立石区。同原発で働いていた男性(61)は「原発が止まり、区も市内も活気がなくなった。動かせるものなら早く再稼働させてほしい」と述べ、国などへの働き掛けの強化を求めた。現在、原発で働く別の男性(56)は「再稼働の見通しが付かないなら、別の産業振興に本格的に力を入れるべきだ」と注文を付けた。

 一方、北陸新幹線敦賀開業に伴う観光の振興に期待する声も多い。神楽町1丁目で商店を営む女性(76)は「新幹線が来れば少しは人が増えるはず」と期待を込める。市中心部でシャッターの閉まった店舗が目立つ現状については「活性化には空き店舗対策が大切だけど、実際に借りて家賃や光熱費を払うのは大変。どうすれば活性化できるのか、具体的に示せる人がいい」と訴える。

 気比神宮近くの清水町1丁目の主婦も「気比神宮に来た観光客に市内を巡ってもらうには、さらに公共交通機関の充実などが必要だと思う。行動力のある人に市長になってほしい」と願う。

 市長候補の2人は、人口減少対策として子育て支援策をともに打ち出している。子ども2人を保育園に預ける昭和町の美容師の女性(36)は「周囲には、近所の保育園が定員オーバーで遠くの保育園に子どもを預けにいっている人もいる。待機園児ゼロと言うけれど、都会と状況は変わらないのでは…」とこぼす。「地域人口に合わせて保育園を増やすなど、状況に合わせた判断をしてほしい」と求めた。

 両候補者が似た政策を掲げる選挙に疑問や戸惑いの声も上がった。神楽町1丁目の50代主婦は「政治のことはあまり分からないが、その人自体が敦賀の“顔”となるような、アピール力のある人がいい」とイメージ重視で投票するという。野坂の会社員男性(39)は「政策に違いが見られないので、人柄やバックグラウンドで判断する予定」と話した。

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