建築基準の不適合が約2千件見つかり、開かれた大和ハウス工業の記者会見=4月12日午後、大阪市

 大手住宅メーカーの大和ハウス工業は4月12日、一戸建て住宅と賃貸共同住宅計約2千棟で建築基準法に違反する恐れがあると発表した。耐火性が不十分なほか柱や基礎構造に仕様の不適合があった。内部通報により社内調査し、国土交通省へ同日報告した。このうち73棟は耐火性確保の改修工事をする必要があると判断し、月内をめどに工事を完了する。柱の仕様不適合は順次確認する。

 福井県内では、一戸建て住宅77棟、賃貸共同住宅46棟の計123棟の基礎構造に仕様の不適合があった。同様の不適合があった29都府県のうち、愛知県(907棟)、富山県(135棟)に次いで多い。

 福井県内の該当物件の所有者、入居者への対応について、同社広報企画室は福井新聞の取材に対し「安全性に問題はないことを福井支店を通じて遅くとも5月中には伝える」と説明。所有者や入居者が希望する場合は、仮住まいを用意した上で基礎構造の改修を行う方針を示した。

 賃貸アパート大手レオパレス21の施工不良問題に続く不正で、消費者の住宅に対する不信は拡大しそうだ。住宅業界の経営体制が厳しく問われる。大和ハウスは物件の所有者と入居者に個別に説明する。

 大和ハウスが自社基準で不適合と認定したのは2078棟で、うち2066棟に建築基準法違反の恐れがある。建築基準法で定める型式適合認定を受けた仕様を、設計者が十分確認せず設計したのが原因という。本来の仕様と異なる場所に柱が立っていたほか柱の形状が違うなどの事例があった。不適合住宅の設計に関わった社員は延べ173人。仕様の切り替えに伴う情報伝達が不十分だったとしている。

 土田和人代表取締役専務執行役員は大阪府大阪市内で記者会見し「お客さまや関係者に多大な迷惑と心配を掛けたことを深くおわびする」と陳謝した。

 2001年1月31日から10年6月30日にかけて東京、神奈川など6都県で引き渡した賃貸共同住宅200棟で、耐火性が不十分だったり柱の仕様が不適合だったりした。

 基礎構造に仕様の不適合があったのは00年10月5日から13年2月28日にかけて愛知など29都府県で引き渡した一戸建て住宅と賃貸共同住宅の計1878棟。安全性を順次調査する。

 建築基準の不適合で影響の出た世帯は約7千世帯。大和ハウスは耐火性に問題のある73棟以外の安全性に問題はない見通しだと説明している。内部通報から調査開始まで約1年半かかり判断が甘かったことも認めた。

 大和ハウスの相談窓口は不適合対策室、フリーダイヤル(0120)032661。

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