住民が転居し消滅した福井県敦賀市山中区。市の人口減対策は待ったなしだ

 山々に囲まれた福井県敦賀市南東部の愛発地区。滋賀県境近くの国道161号沿いに現れる「山中区」の立て看板の奥に、廃虚となった家がひっそりと建つ。2012年度末、最後の1世帯が市内に転居して消滅した区だ。

 同じ161号沿いにある「深坂古道」の入り口、深坂区も2年ほど前に区内に住民がいなくなった。隣の追分区は18世帯50人が住むが、男性区長(63)は「高齢化が進み、子どもがほとんどいない。10年後、区が成り立っているかどうか。村部の自治会はどこも同じで、破綻しかかっている」と嘆く。

 「若者が魅力を感じる街だったら、出て行った人も帰ってくるはず。地域の中で地に足を着けて暮らしていける施策を行政は考えてほしい」。区長の思いは切実だ。

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 敦賀市の人口減少が止まらない。2005年10月末の6万9315人をピークに減少に転じ、11年の東京電力福島第1原発事故後は減り幅が拡大。今年1月末にピーク後初めて6万6千人を切り、3月末時点で6万5565人となった。

 「福島事故後の原発の長期停止や敦賀3、4号機の建設が見通せなくなった影響で、転出者が大幅に増えた」と市ふるさと創生課。市内の原発関連で働く従業員数は17年度末時点で、福島事故前に比べて4割強減ったという。

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