【論説】3月を中心に各地で各競技が繰り広げられた全国高校選抜大会。全体的に見ると、福井国体の年だった前回大会に匹敵する成績が挙げられた。指導者、選手たちの努力をたたえたい。

 特徴的だったのは個人種目の躍進が目立った点だ。県高体連のまとめによると、昨年の優勝者は2競技2種目だったが、今年は体操、ボート、自転車、重量挙げ、空手道、ライフル射撃、ゴルフの7競技8種目に上った。3位までを見ても、昨年の12種目から21種目に倍近く増えている。

 体操では種目別で男子の榊原拓弥選手(鯖江)、女子の宗万凜選手(同)がともに栄冠を手にした。榊原選手は福井国体で団体3位を成し遂げた実力者。有望株の2年生、宗選手は総合でも2位に入った。2人合わせ6種目で表彰台に上っており、本年度に期待が持てる活躍だ。

 毎年、上位を席巻しているボートは今年も安定感を見せつけ、団体、個人合わせ2種目優勝。計4種目で上位に入った。自転車では男子の市田龍生都選手(科学技術)が、昨年の全国高校総合体育大会、福井国体に続く高校3冠と堂々の成績。ライフル射撃の女子エアライフルでは、三浦莉桜選手(足羽)が1年生(当時)ながら初優勝を飾った。

 空手道では平田京選手(福井工大福井)が、男子個人組手で県勢初制覇の偉業を打ち立てた。形種目では団体で男子敦賀気比が初の3位。県内の高校に空手道部は多くはないが、両校の努力と切磋琢磨(せっさたくま)が今大会で大きく花開いたようだ。

 団体では、3位以内が昨年の6競技7種目から5競技5種目に若干減った。それでもお家芸のホッケー(昨年12月開催)では、女子丹生が福井国体に続く堂々の2冠を達成。ハンドボールでは、昨年、2回戦でまさかの敗退を喫した男子北陸が3位に食い込むなど、上位常連組の活躍が光った。

 またフェンシングでは、女子武生商がサーブルで3位入賞。フルーレが専門の選手ばかりだったが、福井国体成年男子サーブルで団体優勝した福井県メンバーの、張眞(はりま)龍太監督の指揮が好成績につながった。

 テニスでは強豪の仁愛女子が振るわず残念だったが、一方で男子の敦賀気比が5位に入る健闘を見せたのが印象的だった。

 福井国体の翌年ということで、選手強化の成果が今大会にも現れた形。フェンシングに見られるように、国体選手が指導者を務めることも、結果につながっている。県は今春、県立高などに勤務する福井国体の選手ら22人を部活動の指導員に任命した。国体の「遺産」を今後も生かし続け、大舞台での活躍につなげてもらいたい。

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