立川志の輔さんの独演会をPRする「なしの会」の山崎一之代表=4月9日、福井県坂井市内

 「べにやの再建にひと肌ぬぎたい」。人気落語家・立川志の輔さんの希望で、昨年5月に焼失した福井県あわら市の温泉旅館「べにや」の再建を応援する独演会が6月14日、同県の坂井市ハートピア春江で開かれる。志の輔さんは出演料を全額寄付する意向を示しており、「あわらを元気にしたい。落語を楽しんで、みんなで一緒にべにやを応援しましょう」と呼び掛けている。

 志の輔さんがべにやの火災を知ったのは昨年11月。坂井市みくに未来ホールで開かれた独演会の前日、公演関係者らと同市三国町の民家で夕食をとった時、料理の腕を振るったのが、べにやの女将奥村智代さん(51)だった。

 夕食場所を提供したのは、三国町の住民らでつくる文化活動グループ「なしの会」代表の山崎一之さん(71)。山崎さんと親交が深かった奥村隆司社長(51)も同席した。志の輔さんは、智代さんが振る舞った焼きガニや刺し身のおいしさに感動。奥村夫妻の人柄にも引かれ、翌日にはべにや跡地を訪ね、現場を視察した。

 志の輔さんは後日、「再建準備で大変なときに来てくれたのがうれしかった。できることがあれば協力したい」と山崎さんに伝えた。志の輔さんの思いをくんだ山崎さんは「なしの会」のメンバーに声を掛け、独演会開催に向け実行委を結成。日程や会場の調整を行い、3月下旬に準備が整った。

 志の輔さんは約1時間、新作落語を中心に巧みな話術を披露する。奥村夫妻にステージに上がってもらう場もつくり、志の輔さんが寄付金の目録を手渡す予定。

 奥村社長は「高名な落語家の方に支援をいただけるなんて非常に驚いているし、もったいない話。火災から間もなく1年たち、これまでも多くの方が支援の手を差し伸べてくれた。より良いべにやをつくろうという意欲が高まっている」と話している。

 午後6時半開演。チケットは一般4千円、小中学生2千円。ハートピア春江とみくに未来ホールで販売している。

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