若手に交じり自主練習に励む水野半左衛門さん(左)=福井県立武道館

 福井県福井市の88歳の男性が福井県立武道館の弓道教室に通い続けている。4月7日に開講した本年度の教室でちょうど20年。終戦直後、弓道が禁止された苦難の時代を知る男性は、的中の喜びを励みに「これからもずっと弓を引きたい」と意欲を見せている。

 男性は水野半左衛門さん=福井市。武道館が開く「武道学園」の教室を2000年から受講している。

 水野さんは旧制中学1年で弓道と出合った。「巻藁(まきわら)」と呼ばれる練習用の的で基礎をみっちり学び、射場に入るレベルに達した。しかし、終戦を迎え、連合国軍総司令部(GHQ)が武道禁止令を発令。競技を続けられなくなった。結局「もやもやしたまま学生生活が終わった」。

 1989年、県立武道館が自宅近くに開館したことを機に弓道への思いが再燃。再び弓を引いた。張り切りすぎて右肩を痛めるアクシデントもあったが、2000年から競技を本格化させた。

 弓道教室は4~6月の前期と9~11月の後期がある。水野さんは教室以外でも自主練習に励み、1回の練習で30回以上弓を引く。武道館の担当者は「稽古が真面目な水野さんは他の教室生のお手本。88歳で30回以上弓を引くのはすごい」と絶賛する。

 「的に当たったときに響くスパッという音が最高。楽しいから、この年まで続けられた」と水野さん。「これからも1年1年、心を込めて弓を引きたい」と力強く語った。

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