福井県知事選で敗れ、支持者におわびする西川一誠氏=4月7日午後8時半ごろ、福井県福井市

 保守分裂選挙となった福井県知事選は4月7日、投開票が行われ、無所属新人で前副知事の杉本達治氏(56)の圧勝で幕を閉じた。自民党や県農政連、市町議員らとの強力なスクラムで組織戦を展開し、かつて県庁で上司だった無所属現職の西川一誠氏(74)につけいる隙を与えなかった。

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 「仕事は半分終わったようなもんだ」。昨年11月10日。自民党県連の執行部会で、党本部に杉本氏の推薦を求める上申を多数決で決めた後、執行部のある県議は自信を見せた。「これで集票マシンの県農政連や市町議員を引き込める」。県連の機関決定でその道筋は付いたというわけだ。

 一部から猛反発が続いたが、執行部の思惑通り事態は進んだ。早速動いたのは杉本氏に出馬を要請した保守系の市町議員だった。12月8日に支援グループを結成し、革新系も巻き込み、杉本氏をそれぞれの支援者と引き合わせるなど足元を固めていった。

 県農政連は、自民党県連の推薦上申決定を受け、知事選の支持を「白紙」とし、現職優先の慣例を覆した。1月11日には「世代交代を求める民意がある」(北島友嗣会長)として、杉本氏推薦を決定した。一夜明けた12日、JA福井市本店で開かれた杉本氏の支援者集会には、県農政連の加盟者をはじめ、県議や市町議員の支援者ら約千人が詰め掛けた。保守王国での「勝利の方程式」を確立し、杉本氏の関係者は胸を張った。「これで潮目が大きく変わったぞ」

 2月15日、自民党がついに推薦を決定した。2日後の17日に福井市のフェニックス・プラザで開かれた告示前の決起大会には、2日前に同じ会場で開かれた現職のイベント以上の人を集めた。自民の高市早苗元総務相らそうそうたる応援弁士も駆け付けた。「このまま選挙に入ってほしいくらい」との声が聞かれるほどの盛り上がりようだった。

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