敗戦を受け支持者に深々と頭を下げる西川一誠氏=4月7日午後8時35分ごろ、福井県福井市羽水1丁目の選挙事務所

 福井県政を率いること4期16年。現職の西川一誠氏(74)は、持ち前の堅実さで積み上げてきた実績と経験を前面に押し出したが、4月7日投開票の知事選で訴えは通じなかった。総務省の後輩であり県庁で部下だった前副知事の新人に5選を阻まれ、「全力で真面目にあらゆることを犠牲にしながら知事の職を務めてきたが、一心不乱にやってきた政治姿勢が有権者の皆さんに届かなかった」。淡々とした口ぶりの中に無念さがにじんだ。

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 4月7日午後8時ごろ、杉本達治氏(56)の当選確実が早々に伝わると、福井市羽水1丁目の選挙事務所に集まった経済団体幹部らはショックで言葉を失い、目頭を押さえてうずくまる支援者の姿も。西川氏は同8時半ごろに姿を現し、こわばった表情で「残念ながら結果を出すことができなかった。候補者として誠に申し訳なく深くおわび申し上げます」と述べ、深々と頭を下げた。

 自民党の支持層が割れた保守分裂選挙は厳しい戦いだった。「新人のつもりで」と、2003年の初出馬以来となる告示前の辻立ちにも公務の合間を縫って臨んだ。多くの有権者に直接向き合うよう努め、政治の安定と継続を訴えた。だが、民意をつなぎ留めることはできなかった。

 西川氏は選挙戦を振り返り「政策と議論を戦わせて県民に訴えるのが福井県の政治。だが、そうしたことが有権者一人一人に分かっていただけていない歯がゆさを感じた」と言及。報道陣に敗因を尋ねられ、「これからの4年は大事な時期とご理解の上で判断を願いたかったが、新しいとか古いとか、そういう深みのない議論になったのは残念に思う」とも語った。

 元部下との争いになったことには「あってはならない選挙戦。何の話もなく行動を起こされたのは残念」と改めて不快感をのぞかせる場面も。保守分裂の受け止めを問われると「こちらが仕掛けたわけではない」とした上で、自らの陣営の戦いぶりに「私を支持した方は勇気と誇りを持って信念に従って選挙活動をなさった」と胸を張った。

 子どもの学力・体力日本一、幸福度日本一、北陸新幹線の県内開業前倒し。4期の県政運営で、確かな結果を残してきた自負がある。「いずれにしても私たちの福井県を良くしていく、そして万機公論に決する。福井国体で得た一致協力した福井県の姿、幸福度日本一の福井県の姿を次の4年間につなげられなかったが、正しい政治で必ず現実の姿にしてほしい」。去り際のメッセージにも、自身の政治活動を支えてきた古里への愛着が表れた。

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