【論説】福井県知事選、県議選の投開票があすに迫った。知事選は共産党新人の金元幸枝氏、前副知事で無所属新人の杉本達治氏、5選を目指す無所属現職の西川一誠氏の3候補が三つどもえの戦いを繰り広げてきた。

 県議選は12選挙区のうち無投票区を除く8選挙区で選挙戦に突入し、27議席を巡り37人が舌戦を展開。選挙戦のさなか、5月からの新元号が「令和」に決まっただけに、新時代を託す知事、県議選への有権者の関心がこれまで以上に高まることを期待したい。

 気になる投票率は、前回知事選が48・59%、県議選は54・50%と戦後最低を記録した。知事選が現職と共産党候補の一騎打ちだったことなどから、有権者の投票行動は盛り上がりを欠いたといえる。

 しかし、今回の知事選に関しては福井新聞社の世論調査で「非常に関心がある」「少しはある」が計78%あった。各界各層を二分する激戦を反映しているとみられる。31日までの10日間の期日前投票でも投票者数が3万2500人余と、前回同期間の約2・7倍に達している。

 ただ、若年層ほど関心は低く、世論調査では18~39歳以下では「あまりない」「全くない」が4割近くに上っている。今回は18歳選挙権が実現して初めての統一選となる。県内18、19歳の投票率は、施行直後の2016年参院選が42・19%、17年衆院選が39・11%とともに全年齢を大きく下回った。特に19歳は18歳に比べ10~20ポイントも低く、住民票を残したまま進学や就職で県外へ転出したケースなどが影響したとみられる。

 戦後間もなく「20歳以上の男女」とする普通選挙が実現した。それまでは規定額以上の税金を納めたり、男性に限られたりする時代が長く続いたことを、いま一度思い起こしてみたい。そうした歴史をかみしめたなら、貴重な1票を放棄したりすることはできないはずだ。

 「スマホ置き、投票紙持ち、まず一票。」は県明るい選挙推進協議会が募集し、金賞となった選挙啓発標語だ。18歳選挙権大賞には「18才 選ぶ権利 ここにあり」が選ばれた。スマホに没頭する時間を少し投票に回して、選ぶ権利を行使してもらたい。

 誰を選んでいいのか、迷ったときは「選挙公報」を活用するのも一法だろう。県議選では今回初めて導入され、公約や経歴などが確かめられる。これまでは選挙カーの連呼などでしか情報が得られなかったことから、好評のようだ。ネットやSNS(会員制交流サイト)で発信する陣営もあり、参考にする手もある。

 これからの4年間、福井県は、深刻化する人口減少という全国的な課題の一方で、北陸新幹線の敦賀開業や敦賀以西の延伸、廃炉や40年超運転、使用済み燃料の処理といった原発問題、医療や福祉など課題は多岐にわたる。本紙連載にあったように「幸福度日本一」の陰で苦しむ人も少なくない。政策や人物を見極め、福井の未来を託したい。

関連記事