「市民の力は政治、社会を動かす」と話す天龍源一郎さん=東京都内

 私たちは政治とどう向き合っていくのか。各界で活躍する福井ゆかりの著名人らに選挙や政治への考え方を聞く。今回の相手は福井県勝山市出身の元プロレスラー天龍源一郎さん。

 ―昭和の高度経済成長期と平成をレスラーとして駆け抜けた。振り返ってどんな時代でしたか。

 故ジャイアント馬場さんに誘われ、相撲の世界から全日本プロレスに入門したのは1976年、26歳だった。頑張れば必ず給料はアップした。明るい明日のため、必死に今を生きた。

 外車に乗りたいとか、夢も語れた。入門してから数年間は米国で修行したけど、当時の俺はまさに“夢見る夢子ちゃん”だったよ。

 でも今は、今日を頑張ったって明日のことは分からない。それに絵画のような社会にも映るね。きれいに見えるけど実態がないというか。仮想通貨で金もうけとかってのがニュースになる。空疎な絵空事のようで怖いよ。俺が若いころは、実社会と自分の考えがフィットしていたな。

 ―安定志向の若者が増えているとの指摘があります。

 社会が不安定だから、安定を求めてしまうんだろうね。そしてチャレンジ精神が失われていく。社会が沈殿している証拠だね。安定を求める気持ちは分からないでもないけど、自分で自分の限界をつくるなって言いたい。米国で修行しているとき、もう一人の天龍が「お前はもっとできる、こんなもんじゃねえ」って、俺を励ますんだよ。だから俺は自分で自分の限界をつくらなかった。

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