福井県産大麦の茎を使ったストローの商品化に向け、打ち合わせする3社の担当者=福井県福井市今市町のタナックス

 紙類製品商社のタナックス(本社福井県福井市今市町、茂原昌來社長)など福井県内3社が、県産六条大麦の茎を使ったストローの商品化に乗り出した。プラスチックごみによる海洋汚染が問題となり、プラ製ストローの使用を控える動きが世界的に広まる中、新たな需要に応える。2019年7月の発売を目指す。

 大麦の茎はストローのように空洞になっており、表面は滑らか。麦わらの英語は「straw(ストロー)」で、かつては飲料用のストローとして使われていたという。同社の茂原隆久執行役員・購買本部長が、県産大麦の加工食品を企画販売する福井大麦倶楽部(福井市殿下町、重久弘美代表)に商品化を提案した。

 プラ製ストローを巡っては、すかいらーくホールディングスが18年末からガスト全店での使用を中止。スターバックスコーヒージャパンも、直営店舗などで2020年までに提供をやめる方針を示しており、国内外で「脱プラスチック」の動きが広がっている。

 紙ストローなどプラ製に代わる製品の需要の高まりを受け、茂原本部長は「紙業者として何かできることはないか」と情報収集を進める中で、大麦倶楽部が農業体験などで大麦ストローを配っていることを知ったという。福井県は六条大麦の生産量日本一で、福井ブランドの発信や地産地消の推進にもつながると考えた。

 18年10月、量産化に向けたプロジェクトを始動した。大麦の生産はファーム本田(福井県坂井市丸岡町、本田雄揮社長)が担当する。通常、コンバインで大麦を収穫すると茎や葉は細かく裁断されて廃棄されるため、裁断されないよう特殊な機械で刈り取る。現在8ヘクタールで栽培中で、5月以降に収穫し、茎をタナックスに供給する。タナックスは茎を加工して製品化し、販売は大麦倶楽部が担う。

 商品化に向け民間の検査機関に衛生検査を依頼し、お墨付きをもらった。価格はプラ製より割高になる見込みだが、プラ製品との差別化や地産地消などの観点から、県内外の飲食店や宿泊施設が関心を示しているという。初年度は50万本の販売を目指す。

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