漆崎俊郎さん(右)が40年間保管し、福井県教育博物館に寄贈した大型の重錘式掛け時計。左は春江小学校の出蔵直美校長(当時)=3月27日、福井県坂井市の同館

 福井県坂井市立春江小学校に戦後間もなく、県内初の鉄筋コンクリートの講堂が建てられたことを記念して寄贈された大型の重錘式掛け時計が、講堂の解体から40年たった今も、地元の民家に大切に保管されていた。70年近く前に作られた歴史ある逸品。同市の福井県教育博物館に寄贈され、3月から同館エントランスで再び時を刻み始めた。

 「春江小学校百年史」などによると、講堂は1952年に完成し、その際に春江町東部婦人会が掛け時計を寄贈。78年に体育館が新築されるまで掛けられていた。

 保管していたのは同校前に住む漆崎俊郎さん(75)。時計は講堂が解体された際、廃棄するため、同校敷地内に壊れた状態で置かれていたが、古い時計を集めていた漆崎さんは、学校の了解を得て引き取ったという。「春江小の児童や卒業生、いろんな人に見てもらいたい」と思っていたところ、春江町内に県教育博物館が開館したため、昨年秋に贈った。

 時計が春江小に寄贈された経緯を同館が調べたが、春江町東部婦人会は今は存在せず、どういったいきさつで、いつごろ贈られたかは分からなかったという。

 時計は愛知県名古屋市の愛知時計電機社製。高さは1・5メートルあり、一度巻くと8日間動く「8日巻き」。側面には「寄贈 春江町東部婦人會」と明記されている。振り子など一部の部品がない状態だったが、県内の時計店に修理に出し、動くようになって戻ってきた。

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