民泊の規制の厳しさを話す佐久間一己さん。ゲストハウスは現在も休業を余儀なくされている=福井県小浜市小浜鹿島

 一般住宅に旅行者らを泊める「民泊」。2018年、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、本格解禁された。急増する外国人旅行者(インバウンド)の新たな宿泊先として期待されたものの、福井県内での民泊登録件数は低調だ。手掛ける事業者からは、採算を取るには厳しい規制の数々に悲鳴が上がり「空き家などを観光に有効活用できるのに」と規制ありきの行政に疑問を投げ掛ける。

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 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている福井県小浜市の小浜西組。町屋が立ち並ぶ一角に18年12月、町屋を改装した民泊業態のゲストハウスがオープンした。1月から外国人観光客を受け入れ営業を開始する予定だったが、休業を余儀なくされている。開設した佐久間一己さん(33)は「住宅宿泊事業法(民泊新法)では営業したくても現実的にはできない」と不満顔だ。

 住宅を宿泊施設として活用できるようにした民泊新法は、急増する訪日外国人旅行者の受け皿として18年6月に施行された。民間のビジネスチャンス拡大が期待されたものの開設は都市部に集中、地方での普及は進んでいない。福井県でも施行から半年経過しても届け出件数はわずか7件と低調だ。

 「自分の家で空き部屋を貸すなら容易だが、法人として空き家を取得し事業を行おうとすると、とたんに難しくなる」(佐久間さん)。新法では民泊を営むホストの外出が許される時間は1時間以内。それ以上なら「不在型」とみなされ管理業務を誰かに委託しないといけなくなる。管理業務には不動産取引の実績などが必要で「法人で従業員に管理してもらおうとしても頼む相手がそもそも見つからない」(同)。

 年間の営業日数上限180日も大きな壁だ。もともと民泊の宿泊料金はホテルなどと比較し、割安だ。営業日数を制限された現状では民泊だけで生計を立てるには厳しい。佐久間さんは消防設備などの投資を追加で行い、営業日数に制限がない「簡易宿所」に転換する構えだ。

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