啓新―智弁和歌山 6回から登板し投げ抜いた啓新の浦松巧=3月30日、兵庫県西宮市の甲子園球場

 【選抜高校野球大会2回戦・啓新2-5智弁和歌山】

 「気持ちの強いやつを入れて流れを変える」。啓新先発安積航大が11安打を打たれ0―3の六回。植松照智監督は、浦松巧をマウンドに送り出した。昨秋の福井県大会から無失点を続けてきた浦松は「ピンチでも逃げない安積が頑張った。俺も頑張る」と強力打線に立ち向かった。

 ⇒「下向かない」啓新土壇場で2点

 六回は安打を打たれたが無失点でしのいだ。しかし七回、先頭に右前打を浴び四球、犠飛などで2死一、三塁とされ「どう攻めればいいか考えられなかった」。

 昨秋県大会から甲子園1回戦の桐蔭学園戦まで、試合終盤に救援し計25回2/3を自責点ゼロに抑えていた“守護神”が、浮足立ち、制球が定まらず、ボールは真ん中へ。打球は中堅手を越え2点を失った。「悔やまれる」と唇をかんだ。

 啓新が貫いてきた継投リレー。最後は智弁和歌山の豪打に屈したが、2人の持ち味は十分に発揮した。安積はエースとして直球を主体に真っ向勝負。二回終了後、雨で1時間50分中断したが、気持ちを切らすことなく、大きく崩れず粘投した。浦松は八回2死から九回まで4者連続三振を奪い、打線の反撃を呼び込んだ。

 公式戦11試合のうち9試合を継投でしのいできた。2人は「お互い信頼できるから、安心して自分の持ち味が出せた」と認め合う。

 甲子園球児だった祖父(故人)をもつ浦松は「甲子園で、じいちゃんが果たせなかった1勝ができた。帰ったら(墓前に)報告したい」と胸を張った。

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