「日本一ファンキー」と呼ばれる吹奏楽部をつくり上げた植田薫教諭(中央)=3月25日、福井県越前市の武生商業高校

 福井県内の公立学校で今春、253人の教職員が定年退職する。独自のスタイルを築いた吹奏楽部の顧問の名物先生に、工夫を凝らし、情熱を注いだ教員人生を振り返ってもらった。

 植田薫教諭(60)が率いて10年の武生商業高校吹奏楽部は「日本一ファンキーな吹奏学部」と呼ばれる。部員は楽器を演奏しながら植田教諭とともに軽快に踊り、歌声や掛け声で会場を盛り上げる。年度末の定期演奏会は、県内外から約2千人が“武商ワールド”を求め訪れる人気ぶりだ。

 「吹奏楽部が演奏するポップスはどこか、ださい」。中学の部活動でトランペットを吹いていたころから感じていた。1987年、武生東高校で開校と同時に誕生した吹奏楽部の顧問に就くと、自身の音楽経験を生かしバンドと吹奏楽の融合に挑戦。原曲を聴いて一つ一つの音を譜面に落とし込んだ。

 振り付きの演出は、初の演奏会から披露。演奏しながら客席を歩く部員に観客は面食らったような表情だったが「次第に一体感が生まれ、生徒も生き生きと演奏していた」。武生商業高校の顧問になってからも独自のスタイルを貫き、他県にまで広がりつつある。

 吹奏楽の甲子園、全日本コンクールでは「生徒の技術力や人間力を高める上で大切」と上位を目指した。他校が演奏したことのない難曲で挑み、武生東高校、武生商業高校の両校で計14回の出場を誇る。「生徒の力は限界がない。子どもから教えられたことは多い」

 全ての赴任校で吹奏楽部に携わり「生徒が一生懸命練習する姿を見るのが楽しくて飽きない。一緒に音楽を創る最高の場所」と充実感をにじませる。今後は再任用として、生徒と音楽を創り続ける。

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