選抜高校野球1回戦・啓新―桐蔭学園 9回表啓新2死三塁、濱中陽秀が中前適時打を放ち5―3とする=3月27日、甲子園球場

 【選抜高校野球大会1回戦・啓新(福井)5-3桐蔭学園(神奈川)】

 この日4打数2安打1打点と勝利に貢献した濱中陽秀は、小学生のとき野球を辞めようと思ったことがある。「腐らずに続けられたのは両親のおかげ。少しは恩返しできたかな」と甲子園での勝利を笑顔で振り返った。

 投手をしていた小学6年のとき、離断性骨軟骨炎を右肘に発症。練習試合後、診断を受けた濱中は「あと1イニングでも投げていたら手術が必要」な状態で、12カ月、右腕を使うなと医者に言われた。

 球も持てない、バットも握れない。日常生活にも支障をきたし、ドアノブさえ握れなかった。「もう続けられない。両親には言わなかったが、辞めようと思っていた」

 毎日落ち込んでいると、突然父親から「気持ちを切り替えたらどうや。まだ続けられるぞ」と見透かされたように言われた。骨を丈夫にすれば治る。助言を受けた濱中は「背中を押された気がした。奮い立った」。

 毎日カルシウムを取った。おやつにじゃこなどの小魚を食べ、友だちと遊ぶときはペットボトルに牛乳を入れて持ち歩いた。「1日最低1リットル。多いときは倍飲んだ」。両親のアドバイス通り過ごしたおかげで、予定より早い9カ月で完治。おまけに身長も15センチ伸びた。

 「両親には本当に感謝している。甲子園でさらに勝ち進んで活躍する姿を見せたい」と意気込みを語った。

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