福井県福井市役所内の不在者投票所。転居者は投票できない可能性がある=3月26日

 4年に1度の統一地方選が幕を開けたが、3~4月は春の転居シーズンまっただ中。公職選挙法の規定により、転居者は新旧居住地の市町村議選で投票できないなどの“制限”があるため、注意が必要だ。福井県高浜町から今月、同県福井市に転居した記者が投票権を調べてみると、知事選や県議選も早めの事前準備が必要だと分かった。

 転勤のため、3月15日に高浜町に転出届、3月18日に福井市に転入届を出し住民票を移した。ポイントは市町の選挙管理委員会が所管する「選挙人名簿」。継続して3カ月以上、新たな居住地に住み、その市町の名簿に登録されないと投票できない。

 登録のタイミングは3、6、9、12月の各1日の「定時登録」と、告示日前日の「選挙時登録」がある。今回の統一選の選挙時登録は、福井県知事選が3月20日、福井県議選が3月28日、福井市議選は4月13日、高浜町議選は4月15日。記者の場合、いずれも転出・転入から3カ月たっておらず、高浜町の選挙人名簿に「転居」と表示された上で記載されたままとなっている。

 高浜町選管に問い合わせたところ、高浜町議選については「既に町外に転出したため」、福井市議選は「市の名簿に登録されていないため」という理由で、どちらも投票できないとの回答だった。

 これらは公職選挙法の規定に基づく措置で、「地域の代表者を選ぶ際、その地域に住んで実情を分かった上で決める必要があるとの趣旨から」(福井県選管事務局)という。

 一方で知事選と県議選(大飯郡選挙区)は投票はできるものの、(1)投票日当日に高浜町で投票する(2)期間中に同町で期日前投票をする(3)同町選管に申請し投票用紙を送ってもらい、福井市で不在者投票をする-の3パターンの対応が必要らしい。いずれも、スムーズな手続きのためには福井市役所で交付してもらう「同一県内居住証明書」の提出を求められるケースもあり、準備には時間と手間がかかる恐れがある。

 ちなみに同町選管は「投票所入場券」のはがきを3月20日に発送したが、準備日の11日以降に県内で転居した人には、投票方法の解説パンフレットを添えて転居先に発送したという。ただ、県をまたいで転居し3カ月たっていない人は知事選、県議選、市町村議会の「地方選挙」には投票できない。貴重な一票をできる限り行使するには、有権者として知っておく事項は多いようだ。

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