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 『孤独な場所で』『悪人と美女』など1950年代のハリウッドで活躍した女優グロリア・グレアム。助演オスカーを手にし、4度の結婚歴のある彼女の、30歳も若い駆け出しの舞台俳優ピーター・ターナーとの最後の恋を、ターナーによる回顧録を基に描いている。グレアムを演じるのは、アネット・ベニング。

 1981年9月29日、舞台に立つためにメイク中のグレアムが突然苦しんで倒れるところから物語は始まる(彼女は同年10月5日に他界)。その知らせを受けて駆け付けたターナーは、彼女の願い通りリヴァプールにある彼の実家へ連れて帰る。本作は、彼がグレアムを看病しながら二人の思い出を振り返る回想形式で進んでいく。その際の時空間の移動が“懐かしい”。例えばカメラが横にパンしたりドアを開けると過去へ戻る…といった一昔前(80〜90年代)の映画で野心的な映画作家たちがこぞって用いた手法が頻出するから。この懐かしさと、グロリア・グレアムという懐かしの女優の物語がリンクする。

 監督は、『ギャングスター・ナンバー1』『ラッキーナンバー7』のポール・マクギガン。彼も、個人的にはちょっとだけ懐かしい。2009年の『PUSH 光と闇の能力者』を最後に日本で公開されていないから。スタイリッシュなジャンル映画を得意とする印象があったが、まさかラブストーリーで戻ってくるとは! でも観てみて納得。題材はともかく、らしさは健在である。★★★★☆(外山真也)

監督:ポール・マクギガン

出演:アネット・ベニング、ジェイミー・ベル

3月30日(土)から全国公開

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