TBSラジオ『ACTION』のパーソナリティーを務める宮藤官九郎(C)ORICON NewS inc.

 TBSラジオの夕方ワイド枠が、24年ぶりに変わる。1995年4月に始まった『荒川強啓デイ・キャッチ!』(月~金 後3:30~5:50)が今月末で終了し、4月から新番組『ACTION』(月~金 後3:30~5:30)がスタート。パーソナリティーは日替わりで、月曜から順に脚本家の宮藤官九郎、クリープハイプの尾崎世界観、Creepy NutsのDJ松永、作家の羽田圭介氏、ライターの武田砂鉄氏が務め、アシスタントは、元秋田放送アナウンサーで現在はフリーで活動している幸坂理加が月曜から金曜までを担当する。トップバッターを務める宮藤にインタビューを行い、パーソナリティーとしての覚悟を聞いた。

【写真】宮藤官九郎、羽田圭介らが出席した新番組の会見

■リスナーとして感じた『デイ・キャッチ!』の魅力 50歳目前の「いい塩梅を見つけたい」

 オファーを受けた時の心境については「まずは『デイ・キャッチ!終わっちゃうの!?』って普通に思いました。そっちのびっくりでしたね」と率直な感想を吐露。「伊集院光さんの朝の番組や、大沢悠里さんの番組に呼ばれた時に、ワイド番組特有の空気が何かすごいうらやましかったんです。ゲストの僕がしゃべっていたら、明太子のご飯が運ばれてきて、次の通販のコーナーで食べるみたいな、ルーティンな感じがいいなと。人に合わせるとか、自分の外にあるものにリアクションすることができるのは、もう今しか出来ない気がして」と明かした。現在48歳の宮藤だが、自身の年齢を感じる瞬間が多くなっていると語る。

 「自分が年をとるということは、周りのファンも当然年をとるし、最近やっぱり『中学の時に木更津キャッツアイ見ていました』とか当たり前に言われるようになってきちゃって。下手したら小学生の時に見ていたなんて言われるんですけど、そうすると『そうか、オレも長いことやっているんだな』と。何かいつまでも若いつもりじゃいけないなと、だからといって上から『けしからん』とも言えないし、いい塩梅のスタンスを早く見つけたいですね。夕方の自分のテンションと聞いてくださっているみなさんとの関係をうまく築けるところを見つけたいです。もしかしたら、毒蝮三太夫さんみたいに『ババア』と言っているかもしれない(笑)」。

 NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)の執筆をしながらの週1レギュラーとなるが「逆に今年だからできたなと思っています」とあっさり。「舞台や地方公演がなくて、大河用にちゃんと空けていたのですが、予想以上に早く書けたので、割とひまだなと(笑)。今までのラジオは友だちばっかり呼んで、狭いところでワイワイやってて、本当に流れているのかという感じでやっていたので、こういう生のワイド番組をできるのかなというのも含めて、そういうチャレンジを今だったらできるかなと。ドラマも今はたまたまNHKですけど、基本わりとTBSがホームなので、そういう意味ではここに来るのはあんまり緊張しないんですよね。20年以上、なんだかんだで来ることが多かったので、そこでまた番組をやらせてもらえるのはうれしいですよね」と声を弾ませた。

 偉大な前番組への思いも強い。「だいたい今は、朝9時くらいから執筆を始めて、夕方5時くらいから完全に調子が下り坂になっていくんですよね。昼間は基本的に集中したい時以外は、ラジオをつけたまま仕事をしているので、本当に『デイ・キャッチ!』のニュースクリップを聞きながら日が落ちていく中で『あぁーきょうも終わるな』っていうのが、けっこういい時間だったんですけどね。その代わりになるといいなと。今まで『デイ・キャッチ!』を聞いていた人たちが、引き続き楽しめるようなことを、自分が柄にもなくやるということが新鮮なのかなと思うと、今までみたいにガンガン自分の色に染めない方がいいかなとは考えています。早く打ち解けたいですね。その時間にしゃべることも含めて、番組のカラーが出たらいいなと思っています」。

■ラジオだからこその熱量を実感 “取材者”としてアクションを起こす

 ラジオの結びつきの強さもリスナーとして体感している。「家で奥さんとしゃべっていても、気がついたら『さっきラジオで言っていたんだけど…』と言ってるので、やっぱりラジオがオレにとってすごい情報源なんだなと。ネットのニュースは見ないので、ラジオ8割、テレビ2割くらい。人との会話のネタもラジオで聞いた話が多いんですよね。だから、自分もそういうことを発信していかないといけないんですけど、あんまりできる気がしないというか(笑)。普通の生活しなきゃなと。今まではヘビーなリスナーを相手にしてたけど、もうちょっとその範囲を広めたいなと思っています」。淡々とした語り口ながら、ラジオへの熱い思いをにじませた。

 「何か面白いですよね。ラジオじゃないとできないことがあって、だからみんな忙しくてもラジオをやるんだろうなと思うし、オレも忙しいけど、ラジオをやりたいっていうのは、きっとラジオじゃなきゃできないことなんでしょうね。音しかない、何かしながら、どこかからたまたま流れてきてっていう。こっちも気楽になれるし、ちゃんとやろうとも思うし、そこがほかのメディアと違うんですよね。あんまり自分が出るテレビを見るのは好きじゃないんですけど、自分が出ているラジオを聞くのは好きなんです。今回の番組では、オレに興味を持ってないだろうなという層に好かれたいですね。何をしているのかわからないという層にもちゃんと好かれたいなと思います」。

 憧れの高田文夫氏(70)は先日、自身がパーソナリティーを務めるラジオのイベント『ニッポン放送 高田文夫のラジオビバリー昼ズ リスナー大感謝祭~そんなこんなで まる30年~』を開催した。最近の放送では、マシンガントークにますます拍車をかかっている高田氏だが、宮藤は「すごいですよね、1回倒れたのに、今の方が前よりも何を言っているかわかるってすごいなと。前は、ちょっと言葉よりも思考が先をいってる印象でしたが、倒れてからちょうど追いついた印象を受けますね」とにっこり。そんな高田氏に、先日対面して、月1レギュラーだった『宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD』の終了を告げたという。

 「高田先生に『番組が終わるんですよ』とお伝えしたら『だったらお前、デイ・キャッチ!の後やれよ』と言われて、なんで他局のことを自分のものみたいに言うんだろうって(笑)。番組が終わったことを残念がってくれるかと思ったら、全然そんなことなかったです。『あそこ空くんだろ、やれよ』みたいな(笑)。実は、その頃にはこの番組のオファーが来ていて、さすがだなと、事情わかりすぎていますよね」。

 そんな高田氏にならって、目指すは長寿番組だ。「難しいですけど、本当は1年くらいやった時に何か見えてくるのかなと思ったりするんですけどね。だから、あきらめないで聴いてほしいです。第1回と1年後の放送が全然違っていたらうれしい。やっぱり、自分もリスナーとして、ラジオって生活の一部になりますし、ましてお昼や夕方のワイド番組になると、その思いがより強くなるので、たまたま車に乗って、ラジオをつけた人にもちゃんと残るような放送になったらいいなと考えています。ドラマを書く時に、今まではあまり取材が必要ないかなというか、しなくても別に頭の中で組み立てて書けていたところがあったんですけど、最近取材することで思わぬ拾い物がいっぱいあるなと。『ゆとりですがなにか』というドラマをやった頃から、大勢のゆとり世代の人たちとしゃべってみて、こういう風に考えているんだとか、本やネットで調べても出てこない話が出てきて、取材の面白さを知ったので、この番組で、自分が知らない世界のことを勉強していきたいです」。

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