ふくらはぎや太ももに、血管がぼこぼこと表面に浮き出る「下肢静脈瘤(じょうみゃくりゅう)」が数カ所できています。現在は日常生活に不便はありませんが、人によってむくみやだるさを感じたり、かゆみや色素沈着などの皮膚症状が現れたりする場合があると知り、心配になっています。治療を検討すべきタイミングや治療法について教えてください。(福井市、35歳女性)

【お答えします】西田聡・福井県立病院心臓血管外科医長

■皮膚炎、立ち仕事の人は検討を

 下肢静脈瘤は、足の静脈がふくれてこぶのようになる病気です。静脈の中にある逆流防止弁が壊れることによって起こります。立っていると足に血がたまるため、午後になるとむくんだり、だるくなったりします。悪化すると皮膚炎が起こり、湿疹や色素沈着をきたします。

 放置しておいても自然に治ることはなく、少しずつ悪くなってきます。だからといって歩けなくなったり、足を切断しなければならなくなったり、ましてや命にかかわるようなことはありません。

 血の塊が流れて頭に飛ぶのではないかと心配する人もいますが、「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」と少し混同されているようです。深部静脈血栓症とは足の深いところにある静脈に血栓ができ、運動によって飛んで肺の血管をふさいでしまう病気です。下肢静脈瘤だからといって深部静脈血栓症になりやすいわけではありませんので安心してください。

 下肢静脈瘤は良性の病気ですので、治療を受けるかどうかは患者さんの気持ち次第です。長年悩んできたのでこの際きれいに治したいということでもいいですし、病気のことをよく理解して安心したので、まずは弾性ストッキングで様子をみたいということでもいいと思います。ただし、皮膚炎を起こしている人、立ち仕事を続ける必要のある人は思い切って治療を受けられることをお勧めします。

■手術が代表的、レーザーも

 代表的な治療法はストリッピング手術です。足の静脈の中に細いワイヤを挿入して、ワイヤごと静脈を抜き取る方法です。足の静脈は表面と深部にあり、手術で取り除くのは表面の静脈だけです。深部静脈は残り、表面の静脈も網の目のように発達していますので、血液の流れに支障が出ることはありません。

 最近はレーザー治療も盛んに行われています。静脈の中に細いレーザーファイバーを挿入して、レーザーの熱によって静脈をふさいでしまう方法です。治療の効果はストリッピング手術もレーザー治療もほとんど差はありませんが、それぞれにメリット、デメリットがあります。麻酔方法や入院期間などと併せて担当の医師に相談してください。

関連記事