福井県知事選を巡る政党の構図

 福井県知事選は、保守分裂選挙に突入した。自民党が推薦する無所属新人の杉本達治氏(56)と、自民の一部の県議や地域・職域支部が支援する現職の西川一誠氏(74)の出陣式では、弁士らによる相手の攻撃や批判の応酬が繰り広げられ、候補者自身の政策はかすみがちだった。県内を真っ二つに割った保守同士の争いは、さらに熾烈を極めそうだ。

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 「自民本部も県連も一丸となり、一致結束して杉本候補のために全力を挙げる」。杉本氏の出陣式で、最初にマイクを握った山崎正昭県連会長は「一丸」「結束」との言葉を強調した。それには理由がある。杉本氏の推薦が決まった後も、西川派との関係修復は進んでいないからだ。

 県連執行部は2018年11月、杉本氏の推薦を党本部に上申することを多数決で決めた。西川派県議は異議を唱え、県会最大会派の県会自民党の分裂に発展した。自民の推薦が決まったのは2019年2月15日。上申から2カ月半かかった。

 「推薦した以上、責任と自信を持って杉本氏とともに投票日に向かっていく」。山崎氏に続いて登壇した萩生田光一党幹事長代行はこう力説した。萩生田氏は安倍晋三首相(自民総裁)の側近の一人。県連にすれば、党本部の全面支援をアピールし、県内党員の結束を促した格好だ。

 西川派県議との対立で、県会第2会派となった県会自民党の杉本派県議も6人駆け付けた。代表でマイクを握った斉藤新緑会長(県連幹事長)は西川氏の批判を展開した。「選挙でマニフェストが認められたとの理由で、一方的な手法で政治を進めてきた。議会の場で政策を吟味しようと何度言っても応えてくれない。高校入試への英検導入も、現場の教員やPTAが反対している中で実施した」と指摘した。杉本氏が県政運営の手法転換を打ち出していることを念頭に「政策の違いがないと言われているが(西川氏とは)全然違う」と述べた。

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