国立公文書館で販売している「平成」の書をあしらったクリアファイル=2月、東京都千代田区

 5月1日の改元を前に、平成にちなんだスポットが人気だ。時代を振り返る企画展が開かれ「平成」と名の付く場所に人が集まる。旅行会社は4月末からの10連休で特別なツアーを組んだ。天皇の闘病で自粛ムードが強かった昭和の末と様変わりし、楽しみながら改元を迎えようとしている。

 福井県内では、越前町の料理旅館「平成」が越前がにのシーズンに合わせ、昨年11月から「平成最後の平成のカニ」キャンペーンを展開。改元が迫る中、通常のキャンペーンに比べ、客数は多い日で2~3割増えているという。

 過去に同旅館を利用した顧客を中心に、昨年10月からはがきで「平成最後のカニの食べ納めは旅館平成で」とPR。値引きや土産といったサービスの効果もあり、宮崎浩美支配人(50)は「はがきを手に訪れてくれる顧客が増えた」と手応えを感じている様子だった。

 木のぬくもりを感じる乗り物に、手のひらサイズの絵本―。江崎グリコ運営の江崎記念館(大阪市)は、菓子グリコの平成時代のおまけを集めた特別展を4月末まで催している。

 平成直前の1988年に100円の商品が登場し、おまけは一回り大きくなった。知育の要素を取り入れ、親子が一緒に遊ぶことを意識したのも特徴。最新のおまけは木製の動物のおもちゃで、スマートフォンのアプリで読み込めば、動物の生態を学ぶことができる。

 30年前、当時の小渕恵三官房長官が元号発表時に掲げた「平成」の書を保管する国立公文書館(東京)では、レプリカを見学できる。売店の人気は書をあしらったクリアファイル。「自分の生まれた元号の記念に」「テレビで見た小渕氏の記者会見が懐かしい」と買い求める人が増え、2018年3月の発売以来、約2万5千枚が売れた。

 元号と同じ漢字の岐阜県関市の平成(へなり)地区には改元の際、観光客や報道陣が押し寄せた。地区に住む田畑和義さん(64)は「特産のシイタケが土産として飛ぶように売れた」と当時を振り返る。

 この地区は今、再び注目を集め、近くの「道の駅平成(へいせい)」は週末になると駐車場がいっぱいになる盛況ぶりだ。1~2月の売り上げは前年に比べて4割増し。4月1日には新元号発表の中継を見るイベントを開く。

 JR九州・豊肥線の平成駅(熊本市)にも見物客が訪れている。写真を撮ってインスタグラムやツイッターに投稿する人が多い。

 旅行会社も商機を逃すまいと力を入れている。日本旅行は改元を挟んで大阪と九州を新幹線で往復するツアーを企画した。4月30日の行きは平成、翌5月1日の帰りは新元号をそれぞれ記載した記念乗車券が付く。

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