原子力災害制圧道路

 原発事故時の避難道路となる原子力災害制圧道路として整備されていた福井県嶺南地域の県道佐田竹波敦賀線の美浜町佐田-菅浜間が3月17日、開通し、記念式典が同町菅浜で開かれた。従来の同区間は集中豪雨による土砂崩れなどで通行止めになることが多かった。新たな道路は約半分がトンネルで、同区間を直線的に結んでおり、住民らが安全に通行できるようになった。

 2012年から整備してきた同災害制圧道路の同町佐田-竹波間は約5・1キロで、今回開通したのは、南側の約2・1キロの佐田-菅浜間。片側1車線で、北田トンネル(320メートル)と菅浜乙見トンネル(638メートル)で結ばれている。国の原子力発電施設等立地地域特別交付金などにより、総事業費約50億円をかけて整備してきた。北側の竹波-菅浜間(約3キロ)は来年度中に開通する予定。

 同区間は急カーブで見通しが悪い上、迂回(うかい)路もなかったため、これまで土砂崩れなどで交通規制を余儀なくされ、付近住民の生活に支障が出ていた。ほぼ直線のバイパスの完成により、災害時に迅速な避難や事故制圧ができるほか、生活道路としても便利になる。

 敦賀半島西側の同町丹生、竹波、菅浜区は、放射性物質放出前から避難準備する原発から約5キロの区域(PAZ)内にある。町地域防災計画では避難する場合、自家用車を使うことになっており、避難道の整備が求められていた。

 式典には西川一誠知事や地元選出の国会議員、県会議員、住民代表ら約60人が出席した。西川知事は「東京電力福島第1原発事故後、万が一のときに原子力災害を制圧するという考えを電力事業者と共有して整備を進めてきた」とあいさつ。戸嶋秀樹町長は「開通を機に、敦賀半島全体の防災機能が強化され、地域産業、周遊観光の活性化につながることを期待している」と述べた。

 この後、テープカットするなどして開通を祝い、出席者や住民が自動車で通り初めをした。

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