商品棚の陰に潜み、怪しい客の様子をうかがう万引Gメン。並々ならぬ集中力で目を光らせる(写真はイメージ)

 万引を見抜くポイントは、一瞬の「違和感」。普通に歩いているようでも、急に視線を泳がせたり、物陰に立ちすくんだりするなど怪しい動作を見せることがある。長年の経験から、すれ違うだけで「もしかしてこの人…」と勘が働くことも。特に犯行が多いのは昼食前と夕食前だが、従業員が休憩に入る午後1~2時を狙った犯行もあり、「いつ発生するか分からない」と気は休まらない。

 目を疑うような手口も見てきた。ふんわりとしたスカートの女性が、スパッツと足の間にパンや刺し身など10点以上の食料品を隠していたり、家電量販店で液晶テレビを店外まで堂々と引きずって出たり。「万引は1回成功すると必ず何度もする。量も金額も増え、手口も大胆になる」という。「死んでやる」「呪ってやる」と罵声を浴びることや、病気を理由に許しを請われたこともある。

 2人は月に数人、今までにそれぞれ千人近くの万引犯を取り押さえてきた。「一番の目的は店の被害防止。でも、捕まえるのは本人のためでもある」と男性Gメン。過去に捕まえた女子高生と偶然会ったことがあった。「あの時はありがとう。私あれで目が覚めて」と声を掛けられた。万引に二度と手を染めなくなったのだという。「それが一番のやりがい」と、男性Gメンは少し表情を崩した。

 【万引Gメン】一般客に紛れ、万引がないか監視する私服保安員。取材した福井県内の警備会社では、警備員になるための30時間以上の講習に加え、保安員になるために3カ月の講習と現場研修を受ける。「Gメン」は、米連邦捜査局(FBI)捜査官の通称に由来するとされている。

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