県民衛星が搭載される予定のソユーズロケット(GK Launch Services提供)

 超小型人工衛星の2020年度の打ち上げを目指す福井県の県民衛星技術研究組合は3月12日、県民衛星をロシアのソユーズロケットに搭載し、中央アジア・カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げると発表した。同組合に所属し、超小型人工衛星製造のノウハウを持つ宇宙関連ベンチャー企業「アクセルスペース」(東京)と共同で製造・運用する契約も締結。4月から部品製造や組み立てを進め、環境・動作試験を経て、20年4~9月に打ち上げる計画。

 同組合は、県や県内外の企業で構成し16年に発足。国内で超小型人工衛星開発の先端を行く東京大の研究室に人材を派遣するなど、製造に関する技術を蓄積してきた。

 アクセルスペースは22年までに数十機の衛星を打ち上げ、世界中の陸地を毎日観測する「アクセルグローブ」計画を進めており、県民衛星はアクセルグローブを構成する衛星の一つとなる。県民衛星が同計画に参画することで、それぞれの衛星から得られるデータを互いに利用できるメリットがある。20年度の県民衛星の打ち上げ時には、同社の衛星2機も一緒にソユーズロケットに搭載される。

 福井県庁で行われた契約締結式では、同組合の進藤哲次理事長が「組合が発足して2年半。さまざまな企業の協力を得て着実に成果を挙げてきた」と強調。県民衛星の活用については、衛星が撮影した山、河川の画像を使って、災害の予知に役立てたり、発生状況を知らせたりする防災システムを構築していくとした。製造部門を担当する山田英幸専務理事は「(衛星の)量産に向けて県民衛星で実績を残したい」と抱負を述べた。

 県民衛星の製造を統括するアクセルスペースの中村友哉社長は「今後、数十機単位で量産していくのが世界の潮流になるが、量産を成功させた企業はまだない。我々と福井の企業でそのスタンダードをつくり、福井に世界中から衛星製造の注文がくるようになればいい」と話した。

 ソユーズロケット 1957年、世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに使われたロケットを改良したもの。これまでに1800回以上の打ち上げ実績がある。「ソユーズ」はロシア語で「同盟」「結合」を意味し、同じ名前の宇宙船もある。

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