外国人技能実習生が黙々と仕事をこなす鉄工所。経営者は「求人しても日本人は来ない」と嘆く=福井県内

 政府は外国人労働者の受け入れを4月から拡大する。介護や外食、宿泊など14業種が対象で、新たな在留資格「特定技能1号」は、技能実習生で3年以上の経験があれば無試験で移行できる。

 「実習生は出稼ぎ感覚でいる。特定技能1号に移行すると在留上限は5年だが、家族の帯同はできない。長く家族と離れるのは嫌だという実習生もいる」と話すのは、坂井市内の受け入れ監理団体の代表理事。1号になると賃金など日本人と同等以上の待遇が求められ、企業側もコストが増すため「意外とミスマッチな制度。双方にメリットがない」とみている。

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 新たな制度で外国人労働者が増えたとしても、企業や自治体からは、賃金の高い都市部に集中するのではと懸念する声も聞かれる。

 市民に占める外国人の割合が5・2%と福井県内トップの越前市は新年度に向け「多文化共生推進プラン」の策定を進めている。コミュニケーション支援や子育て・教育支援を柱に、総額1億763万円を当初予算案に計上した。市民自治推進課の見延政和課長は「社会構造上、日本人だけでは成り立たない時代。治安の良さや充実した教育環境は外国人に選ばれるし、日本人にとっても住みよい都市になる」と話す。

 市内の外国人に行ったアンケートでは、ベトナム人の9割、ブラジル人の6割が「越前市に住み続けたい」と回答。地域の祭りなど交流イベントへの参加意欲も高い。「地域住民と外国人双方の意識啓発が大切」と見延課長。地域の催しを知らせる外国語のチラシ配布や、公民館での異文化理解講座などにも取り組む考えだ。「生活習慣や文化の違いを超えた、安心できるまちづくりにつなげたい」と力を込めた。

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