万引犯への人件費請求を周知する店内の張り紙=福井県内

 PLANTで万引し、昨年逮捕された県内の70代男性は「弁護士が拘置所に請求書を持ってきた」と振り返る。執行猶予付きの判決後、すぐに店長へ謝罪に行き、人件費約1万5千円を払った。

 同社総務部は「従業員は万引1件当たり2~3時間、逮捕となれば6時間拘束されることもある。この間、本来の業務はできない。時間と労力のロスは大きな損害」と深刻さを訴える。請求の目的について「万引は小売業の経営を圧迫する。犯した過ちの重大さや店への迷惑を認識し、反省してもらいたい」と語る。その効果か、取り押さえた万引犯は13年の296人から半減している。

 損害賠償請求という対抗策を広めようという動きもある。NPO法人「全国万引犯罪防止機構」(東京)は2018年11月、A4判6ページの手引書を作成し、小売業向けに1部100円で販売を始めた。ただ「人件費請求の取り組みは全国で10社ほど。まだ少ない」と理事・事務局長の福井昻さん(78)。「捕まったら商品を返せばいいだろうという、犯人の安易な考えを改めさせなければならない」と力を込めた。

関連記事