テープカットし原子力災害制圧道路の開通を祝う出席者ら=3月10日、福井県高浜町音海

 原発事故時の避難道路となる原子力災害制圧道路として整備されていた福井県嶺南地域の県道音海中津海線の高浜町音海―小黒飯間が3月10日、開通し、記念式典が同町音海で開かれた。従来の同区間は海岸を通り土砂崩れで不通となることが多かった。新たな道路は大部分がトンネルで、同区間を直線的に結んでおり、同町音海区の住民らが安全に通行できるようになった。式典ではテープカットするなどして開通を祝った。

 同区間は急カーブが多く見通しが悪い上、土砂崩れによる交通規制が度々起こっている。災害時に音海区住民の避難が困難になるほか、日常生活や観光、産業にも支障があった。

 音海区は、放射性物質放出前から避難準備する原発から約5キロの区域(PAZ)内にある。町原子力災害住民避難計画では避難する場合、自家用車を使うことになっており、避難道の整備が求められていた。

 新たな道路は延長1640メートルで片側1車線。大部分が1209メートルの音海トンネルで結ばれている。トンネル南側には延長107・8メートルの新内浦大橋を建設した。原子力発電施設等立地地域特別交付金などにより、総事業費約55億円かけ2012年から整備してきた。

 式典には西川一誠知事や地元選出の国会議員、県会議員、住民代表ら約100人が出席した。野瀬豊町長があいさつし「開通式を迎えられたことはこの上ない喜びと感激。道路完成により町民の安全安心の確保を最優先に実行できる。また県内外から多くの方々を呼び込むことで、産業、観光のさらなる発展を期待している」と述べた。

 この後、出席者6人と地元小学生7人がテープカットするなどして開通を祝ったほか、出席者や住民が自動車で通り初めをした。

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