スクラムインクジャパンの設立を発表した永和システムマネジメントの平鍋健児社長(右)=3月8日、東京・虎ノ門(同社提供)

 永和システムマネジメント(本社福井県福井市問屋町3丁目、平鍋健児社長)は3月8日、短期間でソフトウエアを開発する「アジャイル」と呼ばれる手法の普及や導入支援を目的に、通信大手KDDI、スクラムインク(米国)と合弁会社「スクラムインクジャパン」(東京)を設立したと発表した。法人対象のセミナーや専門人材の派遣を手掛け、年間40社への導入を目指す。

 アジャイル開発は顧客とエンジニアが少人数でチームを組み▽設計▽実装▽修正―のサイクルを短期間で繰り返しながら、新しい機能を次々と提供していく手法。世界的に導入が加速しており、日本の大手企業も第5世代(5G)移動通信システムやIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)といった先端技術を既存ビジネスに取り込み、デジタル技術で新たな価値を生み出そうと需要が高まっている。

 3社は17年に業務提携し、トヨタ自動車の子会社が手掛ける自動運転のシステム開発などを支援している。新会社では、代表的なアジャイル開発手法の「スクラム」を学ぶセミナーを定期的に開催する計画。専門人材を顧客企業に派遣したり、開発プロジェクトをコンサルティングするサービスも行う。アジャイル開発の国内第一人者である平鍋社長が取締役に就き、4月から本格的に事業を始める。

 永和システムマネジメントは2000年初頭からアジャイル開発を積極的に採用し、これまでに200社超のビジネスを支援してきた。14年にアジャイル事業部を立ち上げ、18年には本社内に首都圏の顧客と福井のエンジニアをつなげるリモート拠点「アジャイルスタジオ福井」を新設した。

 同社は新会社と連携し、大手企業にアジャイル開発手法を広げ、福井でのソフト受託開発を推進する。

 東京都内で8日、新会社の発表会見を行った平鍋社長は「アジャイルは教育とトレーニングが必要で、新会社を通して普及・浸透を図り、自社の顧客も拡大させていく」と意欲を示した。また、福井を拠点に先端のソフト開発ができる強みを発信する構えで「IT人材を福井に呼び込んだり、U・Iターンにつなげることで地域の活性化に貢献できれば」と話した。

▽アジャイル開発

 米国を中心に生まれ、2000年ごろから日本でも知られるようになった。スマートフォン向けアプリなどの開発は、一つ一つの工程を精密に確定させながら進める「ウオーターフォール」型ではなく、スピーディーで柔軟性の高いアジャイルが適しており、先端分野の金融システムなどを含め、導入企業が急増している。優先順位を決めて順に納品し、問題点を洗い出しながら改良を重ね、完成度を高めていく。開発が迅速なため、市場の変化に対応しやすい。

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