青切符を切られた男性と同様の白衣と布袍を着て車の運転席に座る僧侶。仏教界で法事のため僧衣で運転する機会は日常的にあるという=福井県福井市

 福井県警が僧衣で車を運転していた県内の40代男性僧侶に交通反則切符(青切符)を切ったにもかかわらず、「証拠が不十分」として書類送検しなかった問題で、県警は3月7日、県道路交通法施行細則を改正し、衣服の規定を削除すると発表した。県公安委員会が3月15日に公布し、4月4日に施行する。

 現行の規定は「下駄(げた)、スリッパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと」となっているが、「または衣服」の部分を削除する。県警交通指導課によると「運転操作に支障を及ぼすおそれのある衣服」に関する県内での取り締まりは、2018年に男性の僧衣で2件、女性の着物で2件あった。

 全国的に見ると、運転者への規則で「運転操作に支障のある衣服」を禁じているのは福井県など15県にとどまり、都道府県によって規則がばらついている現状がある。

 僧衣運転問題の発端は昨年9月。浄土真宗本願寺派に所属する40代男性僧侶が、福井市内の県道(通称フェニックス通り)を軽乗用車で走行中、警察官から停車を指示され青切符を切られた。白衣(はくえ)の上に簡素な僧衣「布袍(ふほう)」を着ていたことが、同細則の「運転操作に支障を及ぼす恐れがある衣服」に“抵触”。反則金6千円を納めるよう求められたが、納得がいかず支払いを拒否した。

 昨年末に大きく報道されたことで全国的な話題に。インターネット上に、各地の僧侶が僧衣で二重跳びやジャグリングなどをして、柔軟な動きができることをアピールする動画が「#僧衣でできるもん」というハッシュタグ(検索目印)を付けてSNSに続々とアップされた。

 県警は1月26日、「証拠が十分に確保できず違反事実が認定できなかった」として書類送検を見送った。2月27日の県会土木警察常任委員会で県警は「(衣服に関する)規則の規定の仕方を含め、改善の余地がないか引き続き検討している」と説明していた。

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