福井県警本部=福井県福井市

 電話で県庁職員などをかたる特殊詐欺で、福井県内の1人暮らしの70代女性が、約4800万円をだまし取られたことが福井県警への取材で分かった。女性はショッピングセンター(SC)の現金自動預払機(ATM)コーナーへ30日ほど通い、複数のキャッシュカードで約100回にわたって現金を引き出し続けた。自宅周辺に来た「受け子」の男らに5、6回に分けて現金を手渡していた。

 県警生活安全企画課によると、女性宅には県庁職員役の男から昨年秋に電話があり、「あなたの個人情報が三つの会社に登録されている」と不安をあおってきた。その後、企業役やボランティア団体役など男4、5人から次々と言葉巧みな電話があった。最後は「登録抹消手続きの中でトラブルが発生した。解決のために補償金が必要」と現金を要求された。一連の電話の中で、預金額や口座のある金融機関を聞き出されていた。

 銀行の窓口に比べ警戒が手薄なSCのATMコーナーに行くよう指示され、キャッシュカード4枚を使い、一般的な1枚当たりの限度額1日50万円を連日引き出し続けた。今年1月まで、企業の社員を名乗って自宅周辺に来た男らに現金を渡した。2月中旬、警察署に相談し発覚した。

 同じ手口の事件としては昨年、県内の80代女性がATMに通い1千万円以上引き出したが、金融機関が不審に思い水際で被害を阻止したケースがあった。生活安全企画課は「県庁職員らが個人情報を聞いてくることはない。ATMで何日間にもわたり現金を引き出すよう指示されたら詐欺だと思ってほしい」と注意を呼び掛けている。

 県内の昨年の特殊詐欺被害は約1億1300万円だったが、今年は2月末時点で既に約6100万円に達している。

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