こうした使えない魚をすべて使おうということで、昨年からアラや骨を魚粉にして魚の餌にしたり、骨の周りの身をねり天やコロッケにして提供してきた。  

今回発売する「KURA BURGER フィッシュ」でも同様の技術を応用し、中落ちや切り落としをミンチにしてパテに成形。このフィッシュバーガー用パテのために、専用オーブンなど5000万円の機器を導入した。

商品開発部の松島由剛マネージャーは「魚肉のパテを開発するうえで苦労したのは、味を一定に保つこと」と振り返る。すしネタとしては使えない魚といっても、その種類は多岐にわたる。時期によっては白身の魚が多く捕れる場合もあれば、赤身の魚が多く捕れるケースもある。そこでブラックペッパーやガーリックなど10種類のスパイスを独自に配合し、混ぜ合わせることで味の均質化を図り、ようやく商品化にこぎ着けた。

業界トップ・スシローとの差

目下、くら寿司の業績は堅調だ。くらコーポレーションの2018年10月期決算は売上高1324億円(前期比7.9%増)、本業の儲けを示す営業利益は68億円(同8.4%増)といずれも過去最高を記録。国内の既存店売上高が前期並みを保ったほか、海外店舗が好調に推移した。 

 

業績自体はまずまずなくら寿司だが、既存店の動向を見ると注文皿数の増加で客単価は前年超えが続く一方で、客数に限るとマイナス傾向が続く。業界首位のスシローは客数に限っても、おおむね前年同月超えを達成している(上図)。規模の面でも、スシローの国内店舗数が518店に対し、くら寿司が426店(いずれも2018年12月末時点)。年間出店数ではスシローが33店(2018年9月期)に対し、くら寿司は18店(2018年10月期)と差がついている。

ある回転ずしチェーンの幹部は「ここ数年のスシローの攻勢はものすごい。一気に差をつけられた印象だ」と吐露する。事実、スシローの3~4年前のフェアの回数は月1.5回程度だったが、現在は月2回へと増やしたことで、客数増加の一因になっている。

2月上旬にスシローグローバルホールディングスが発表した2019年9月期第1四半期(2018年10~12月)の営業利益は40億円(前年同期比48.8%増、国際会計基準)と、好調な滑り出しとなった。「(第1四半期は)マーケットの期待を超える数字を達成できた。外食全体の中でも既存店の伸びは非常に高い水準を維持できている」(水留浩一社長)。

くらコーポレーションの田中副社長は「回転ずし業界では店舗数や売り上げで頭打ち感は否めない」と危機感をあらわにする。サイドメニューが大きな武器となっているくら寿司だが、スシローを追いかけるうえでは、ハンバーガーのような差別化できる商品投入と同時に、来店を促す効果的な販促キャンペーンを積極化する必要があるだろう。(又吉 龍吾 : 東洋経済 記者)

くらコーポレーションの会社概要 は「四季報オンライン」で

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