【越山若水】テニスの大坂なおみ選手は、昨春にツアー大会で優勝した際の自身のスピーチを「史上最悪」と自嘲した。通例欠かせないスポンサーへの謝辞を、緊張のあまり忘れそうになったからだ▼ただ、最悪といってもスピーチは成功だった。あがった様子ながら、懸命に話す大坂選手の人柄が観客に伝わり、拍手が湧いたのである▼緊張が逆に人を引きつけた例だ。この話をネット記事で紹介したコンサルタントの永井千佳さんは、もともと極度のあがり症で、緊張は「悪いもの」と信じていた▼それが今は「大間違いだ」と思うようになった。受験だって、勉強すればするほどリラックスできるかといえば、むしろしっかり準備した人ほど緊張する。合格への強い思いがあるからこそであり、当たり前の現象という▼緊張は集中した様子を意味する言葉でもあって、永井さんは遠ざけるのでなく認めてしまえ、と助言する。何ごとも緊張なしに良い結果はつかめない▼試しにネットで性格診断をやってみた。筆者は緊張しにくいと出て、いいことかと思ったら違った。ケアレスミスが多い、一度に複数のことをするな、と散々な言われよう▼要は緩んでいるわけで、これなら緊張している方がよほどましだ。あすから県立高の一般入試。大学入試は終盤に差し掛かる。受験する人たちにとって、緊張が良き味方となりますように。

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